朝大ボクシング部OB会結成 「力強い支えと部の強化を」 |
朝鮮大学校ボクシング部OB会結成の集いと記念祝賀宴が17日、朝鮮大学校で行われ、総聯中央の金尚一文化局長、朝鮮大学校の張炳泰学長、体連の鄭元海会長、在日本朝鮮人ボクシング協会の李学宰会長、朝大ボクシング部OB、朝大ボクシング部など関係者ら120余人が参加した。また、集いの前に6人対抗で行われた朝大と東京農業大学との親善試合で朝大は2勝4敗の成績だった。「朝大ボクシング部を強くしたい」そんな同部OB有志たちの熱い思いが実った集い。朝大のユニフォームを着て関東大学リーグ1部のリング上で戦おうと誓い、共に過ごした仲間たちの活気で満ちあふれていた。(金明c記者) 「大学リーグ1部昇格願う」
集いの1部では結成総会、2部で祝賀宴が行われた。 総会では結成準備委員会代表の李京生氏(朝大ボクシング部OB会副会長)が同準備委員会の経過報告を行った。つづいて会則草案とOB会第1期役員選出案が発表され、参加者らの拍手で採択された。 朝大ボクシング部OB会・初代会長に選出された朴郷丘氏があいさつし、「草創期に朝大ボクシング部に入部し機材が少ない中で練習した日々が懐かしく思い出される。これからOBたちが選手たちの試合を見に来て、『1口1万円運動』にも積極的に参加し、各期別に親ぼくを深める機会を設けよう。そして一日も早く同部が関東大学リーグ1部に昇格し、後楽園ホールで堂々と試合ができる日が来ることを心から願っている」と述べた。
つづいてあいさつした張炳泰学長も、「朝大にあるクラブの中で後援会組織が結成されるのはラグビー部に次いで2つ目。会の結成は簡単なことではなく、OB有志たちの熱い思いの結晶だと実感している。OBたちの支えのもと、同部の学生たちが活躍して朝大の名を轟かせてくれることを心から願っている」と述べた。 祝賀宴では、1982年の大学トーナメントの試合のビデオや今年3月、朝鮮での強化練習のビデオが上映され、「1口1万円運動」の財政報告があった。 また、OB会から同部にグローブ、ヘッドギア、ミットなどが贈られた。 先輩、後輩のきずな固く
朝鮮学校に初めてボクシング部が創部されたのが朝鮮大学校。73年にクラブとして認定され、76年には関東大学アマチュアボクシング連盟に加盟。翌年から関東大学リーグへの道が開かれた。このように朝大が活気づくころ、74年に大阪朝高を皮切りに75年には東京で、そのあと九州、広島の各朝高でボクシング部が創部され、85年には神戸朝高にも創られた。 朝大ボクシング部初代部長は体連顧問の金世炯氏(77)。この日は来ひんとして招かれ、当時を振り返りながらこう語った。 「当時、部員らの『試合をさせてくれ』との熱い訴えを受けて、法政大学の責任者に関東大学アマチュアボクシング連盟加盟のためにかけあった。道は開けたものの練習場の確保、機材の問題などが山積みでとても苦労した。それでも先輩が後輩を助けて少しずつ形を築きあげていった」 90年には、卒業生らの募金で購入されたリングやミット、グローブなどの練習機材一式が寄贈された。
創部30周年を迎えた03年まで、同部には指導コーチすらいなかった。そのため試合の機会も少なく、選手たちのモチベーション維持自体が難しい状況が続いていた。 東京、大阪朝高時代に全国大会で優秀な成績を収めた選手らが集っているにもかかわらず、82年から22年間も3部に甘んじる理由もそこにあった。 しかし、関東大学トーナメント3位、第74回全日本アマチュアボクシング選手権での準優勝など近年の目覚しい活躍に触発されたOB有志たちが、「朝大ボクシング部を愛し、2部昇格を支えよう」と名簿、住所録の整理、「1口1万円基金事業」を推し進め、今回のOB会結成に至った。 同部10期生の゙浩一さん(43)は、「当時は本当に設備がない中で練習をこなした。指導するコーチもいなかったしね。でも先輩たちが後輩たちをよく手伝って指導してくれたのが本当に印象深い」と振り返った。 「うちらの期で2部に昇格させるべきだった」と苦笑いするのは同部15期の鄭賢峰さん(38)。17年ぶりに朝大を訪れたと話しながら、「同期のメンバーはとても粒ぞろいで全日本アマチュア選手権にも出場した。リーグ戦でも2部に上がれる実力はあったんだけど、誰かが負けちゃったんだよね…。今日の試合を見て十分2部でも通用すると思った。これからしっかり応援していきたい」と語った。 草創期に5部から始まった朝大ボクシング部は、4、3部へと着実に昇格してきたが、2部への昇格は22年間はたせずにいる。 現在は、04年からコーチを務める朱一コーチ(38)の指導のもと練習に励んでいる。朱コーチも「まずは2部昇格」と意気込む。 主将の尹文鉉選手(4年)は、「ボクシング部に関心が注がれてきたことを実感できた。先輩たちの伝統を引き継いで5月から始まる関東大学リーグでいい結果を報告したい」と決意を語っていた。 [朝鮮新報 2005.4.21] |