朝大サッカー部OB会結成総会 OB「心一つに、できるかぎりの支援を」、現役「結果残し強豪復活を」 |
朝鮮大学校サッカー部OB会結成総会と宴会が2日、ホテル海洋(東京都新宿区)で盛大に行われた。1963年創部から42年の年月を経て結成された同OB会。「朝大サッカー部をサッカー名門校に」−その熱い思いをOBたちは後輩らに託していた。一方、総会に先立ち、東京朝高グラウンド(人工芝)で朝大と立命館大学との親善試合があり、朝大は1−2で惜敗した。 初代会長に金希鏡氏
結成総会ではまず朝大サッカー部OB会結成準備委員会の事業経過報告があった。 報告では、朝大サッカー部は創部以来42年の歴史を刻み、草創期から日本の大学と社会人の強豪チームと試合を行い、日本サッカー界にその名声を大きくとどろかせてきたとしながらも、近年日本サッカー界の急速な発展の裏で各朝高の優秀な選手たちがなかなか朝大に入ってこない現状から、その実績を継承できず低迷期を歩まなければならなかったと指摘。また報告では、このような状況の下、同サッカー部の強化のためナイター設備、グラウンド整備、推薦制度をはじめさまざまな強化策を講じた結果、その実力も徐々に上がってきたとしながら、現在、東京都リーグ1部で活躍する現役選手らの奮闘振りに触発されたOBらが03年から6回の準備委員会を経て結成総会に至ったと話した。 つづいて、朝大サッカー部OB会会則の提案、幹事会構成案が発表された。初代会長には金希鏡氏(東京体協会長、同サッカー部10期生)が選出された。 金会長は、「ここに集まったOBたちが心を一つにしてできるかぎりの支援をしていこう。現役選手らも情熱を持ってサッカーに取り組んでほしい」と語った。 つづいて同大の張炳泰学長があいさつし、「朝大でラグビー部、ボクシング部のOB会結成に続いてサッカー部OB会が結成されたことは大変意義深い。現役選手たちがOBたちの支援を受けながら朝大の名をとどろかせるとともに、同胞たちに大きな力を与えてほしい」と語った。 金名誉監督の喜寿祝う
宴会では各期別の紹介、同大サッカー部の金光浩監督とそのスタッフたちの紹介などが行われた。 OBたちが前に出ると現役のサッカー部員らは真剣な眼差しで話を聞いた。OBたちも温かい拍手に迎えられて気をよくしたのか、あいさつだけでは終わらず、「試合は必ず勝たなきゃならんかった。勝ってこそ親善だった」「東京オリンピックが開催される頃、国家代表の選手たちが朝大に泊まっていったのが今も鮮烈な記憶となっている」「4.25体育団などの強い朝鮮チームの姿を見て育ったからわれわれにも勢いがあった」などと懐かしい思い出話を現役の選手らに聞かせていた。 9期生の尹茂さん(61)は、当時4年時の主将。「われわれの時代は試合に負けたら、こんな場所でご飯なんか食べれなかった」と現役選手らに檄を飛ばしつつ、「朝大生らが活躍して、数年後には国家代表としてたくさんの在日同胞が活躍できるようにがんばってほしい」とエールを送った。 各期別の紹介後、金世炯名誉監督に喜寿(77歳)を祝って花束が手渡された。 金名誉監督は、同サッカー部が創部された1963年から選手たちを指導してきた。現役Jリーガーやアマチュア選手、各地朝鮮学校のサッカー部監督、サッカー関係の仕事に携わる多くの教え子を送り出した。 金名誉監督は、自分が育てたOBたちに対し、開口一番、「朝大サッカー部は永遠に不滅だ」と声を張り上げた。 そして、「OB会がもっと早くできてもよかったと思う。でも会の結成が簡単なことではなく、先輩たちの苦労があって今があることを現役の選手たちは忘れてはならない。振り返れば朝大サッカー部は闘争の歴史を歩んできた。これから朝大から国家代表が出ないとだめだし、Jリーグでも活躍して朝鮮人の気概を見せてやってほしい」と語った。 最後に、OB会から現役サッカー部選手らに記念品が贈呈された。 同サッカー部の李敬宰主将(4年)は、「今年の目標は関東リーグ昇格。OBらの期待を裏切らないように強豪朝大サッカー部の復活を同胞らに伝えられるように必ず結果を出したい」と決意を語った。 また、金光浩監督は、「OB会の結成はOBらのわれわれに対する期待だと受け止めている。初、中、高でサッカーを続けてきた選手たちは在日サッカー界の財産。その力を結集して朝大サッカー部の復活のために一生懸命がんばりたい。2、30年前とは違いサッカーの環境も急速に変わった。時代に合わせた強化にしっかり取り組んでいきたい」と語っていた。(金明c記者) [朝鮮新報 2005.7.14] |