朝高ボクシング部選手ら祖国で強化合宿 マンツーマンの指導、国家代表とのスパーも |
【平壌発=文・姜イルク、写真・盧琴順記者】8月のインターハイを控え、朝鮮高級学校ボクシング部の選手ら8人が平壌で強化合宿を行った。6月29日から7月10日まで訪問した選手らは、朝鮮体育大学のコーチらによるマンツーマンの指導、同大学所属の選手らとのスパーリングなど、ハードな練習メニューをこなした。とくに技術面で急成長した選手らは、全国制覇の手応えをはっきりとつかんでいた。 「インターハイ全国制覇へ向け」 「姿勢に感心」
95年から毎年行ってきた祖国での強化合宿は今年で10回目(03年は「万景峰92」号運航計画変更の関係で中止)。全国制覇の大きな原動力となってきた。 今回の合宿には、大阪朝高の安昌祜、尹成龍、朴善暉、崔学世(以上3年生)、金在鴻、申昌民(以上2年生)、金聖姫(女子、3年生)の7選手と神戸朝高の周光植選手(2年生)の計8人が参加した。 東京、広島の選手らは日程の都合上今回は参加できなかったが、修学旅行で訪朝中の東京の3選手らは市内参観の合間をぬって一緒に汗を流した。 選手らの一日の日程は、早朝はランニングを中心にした基礎体力訓練、午前は2分6Rのスパーリングを中心にした実践訓練、午後は同大学コーチにマンツーマンの個人指導を受ける技術向上訓練となっている。日程自体もハードだが、練習の密度も非常に濃い。 しかし1人も脱落することはなかった。指導にあたった朝鮮体育大学ボクシング講座のキム・チュンサムさんは、「まだ高校生なので肉体的にも技術的にもわが選手より水準は低いが、スパーリングでは決して萎縮することはない。また、ひとつでも多くを習おうとするひたむきな姿勢にはわがコーチ、選手みんなが感心している」と評価しながら、「大きな潜在能力を持っているので、それを引き出してあげたい」と述べた。 最高の練習条件
祖国強化合宿では、選手らに最高の練習条件が整えられた。 同大学のコーチが選手一人ひとりについて、選手が必要とする技術を教えながら欠点をていねいに指摘し、直していた。金在鴻選手は、「肩の力を抜いて強打を出せるようになった。これを徹底的に習得した」と満足しながら、朝鮮のボクシングスタイルをもっと吸収したいと話していた。 また、実践訓練ではさまざまなタイプとの対戦が組まれた。申昌民選手は、「背の大きい選手、小さい選手、ファイター、アウトボクサーなど、あらゆるタイプと対戦できて良い経験になった」と語った。 4日の午前には、国家総合チームの選手らとの合同訓練も実現した。アテネオリンピック銀メダリストのキム・ソングク、今年4月のタイ王カップ金メダリストのキム・ウオングク選手など、国内有名選手らとのスパーを行い、キム・ソングク選手を育てたピョン・ソンオ監督(平壌市体育団)など、トップレベルのコーチらの個別指導も受けた。6日には女子の国家総合チームとの合同訓練が行われた。 同大学、国家総合チームは、朝高選手団の練習に合わせて日程を変更して合同訓練を実現させ、また、選手団には専属の医者と看護師がつけられるなど、祖国側から大きな配慮がなされた。 担当コーチと交換日記
今回、選手らと祖国の担当コーチらは交換日記を行った。一日の練習を総括するとともに、情を深めていった。 選手らは、コーチの期待が大きいことを実感しながら、必ず優勝するという気持ちをつのらせていた。日記には「みんな強く、温かく、和やかな人たち。絶対忘れない」(尹成龍選手)、「いつも温かく接してくれる祖国のコーチ陣の期待に必ずこたえたい」(崔学世選手)、「いつも祖国を思いながら戦っていく」(安昌祜選手)などと書かれていた。 また、大阪朝高主将の朴善暉選手は、同校のさらなる飛躍を誓い、神戸朝高の周光植選手は初の全国制覇で同校の名を輝かせることを決意した。 一方、男子と同じ練習メニューをこなした金聖姫選手は、「いっぱい打たれ、いっぱい習った。8月の近畿女子選抜選考会でこの経験を生かしたい」と語った。 選手団団長の梁学哲大阪朝高監督は、「ハードな日程だったのでケガ、故障などの不安があったが、選手らはよく練習についていった。とくに選手の技術レベルは合宿前と後ではまるで違う」と今回の合宿を総括しながら、全国大会での3年連続金メダル獲得を誓っていた。 [朝鮮新報 2005.7.23] |