〈東アジアサッカー選手権〉 朝鮮男女 日本に勝利 4万人の南の同胞「アリラン」大合唱 |
東アジアサッカー選手権が7月31日、南朝鮮で開幕した。朝鮮(男子)は大田ワールドカップスタジアムで日本と対戦し1−0で勝利。ワールドカップアジア最終予選で2連敗の雪辱を果たした。朝鮮が日本代表に勝利したのは1990年8月、中国・北京で行われたダイナスティカップで1−0で勝って以来15年ぶり。南朝鮮のサポーターは「6.15共同宣言」と書かれた大型の「統一旗」を振り、「アリラン」を合唱するなどして朝鮮チームを出迎えた。南朝鮮は中国に1−1の引き分け。一方、1日には女子が開幕し、朝鮮は日本に1−0で勝利した。南朝鮮は中国に2−0で勝利した。 「気迫勝ち」
キム・ミョンソン監督が宙に舞った。終了のホイッスルが鳴ると同時に選手らはベンチに向かい、キム監督を胴上げした。 「レッドデビル」応援団をはじめ、会場に集まった4万人の観衆は民謡「アリラン」を大合唱し、声援と拍手で勝利を称えた。 勝利をかみ締める朝鮮代表イレブン。今回の試合はワールドカップ予選での雪辱を晴らそうと挑んだ。肝心なところの集中力と球際の強さで日本代表に勝っていた。まさに朝鮮代表の心技体すべてで日本代表を上回る「気迫勝ち」だった。 試合は相手DFのクリアミスをエリア内で拾ったMFキム・チョルホ選手がゴール前へパス。FWキム・ミョンチョル選手のポストプレーから、走りこんできたMFキム・ヨンジュン選手が右足の強烈なシュートを放った。ボールはゴール左隅に突き刺さった。 その瞬間、ベンチから選手たちが走りだし、ピッチ上でみんなで覆いかぶさり喜び合った。南の観衆からはスタジアムが揺れるほどの拍手と声援が送られた。 後半戦は防戦一方となったが、集中力を切らさなかった朝鮮DF陣が最後までゴールを死守した。 終了のホイッスルが鳴った瞬間、キム・ミョンソン監督とコーチらは固い握手と抱擁をかわした。一方、南の鄭東泳統一部長官がグラウンドに下り、朝鮮代表を激励する姿も見られた。 ホームのような会場
この日、朝鮮代表サポーターとなった南の観衆たち。「血は水よりも濃い」−それが証明された1戦でもあった。Jリーグのサンフレッチェ広島の李漢宰選手は、「ホームのように試合ができた」と笑顔で語った。 試合後、インタビュー室に入ってきたキム・ミョンソン監督は興奮したようすで口を開いた。 「今日の試合を組んでくれた東アジアサッカー連盟と南のサッカー協会に感謝している。われわれを案内してくれた南の先生方、熱狂的に歓迎してくれた南の同胞たちに北側を代表して感謝を捧げたい」と述べた。 また、4日、12年ぶりの北南対決が行われることについての感想を聞かれ、「アボジと子どもが試合をしても試合。同じ同胞なので競争的な考えを持ちたくない」と話しながら、「若い選手たちで2010年のワールドカップを見据えてチームを編成した。経験を積ませようと構成したチームだ」と語った。 一方、朝鮮女子は、豊富な運動量と力強さを見せつけ日本を圧倒。前半38分にリ・ウンスク選手が得点し、初戦を飾った。 朝鮮は男女ともに4日、全州ワールドカップスタジアムで南朝鮮と対戦する。 [朝鮮新報 2005.8.2] |