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〈東アジアサッカー選手権〉 男女「北南対決」−統一ムード一色、3万人の南市民

「やっぱりわれわれは一つ(ウリヌン ハナダ)」の声援

 サッカー東アジア選手権大会が7月31日〜8月7日、南朝鮮で行われ、朝鮮、南朝鮮、中国、日本の男女4チームが東アジアチャンピオンの座をかけて試合を行った。朝鮮男子は1勝1分1敗で3位、朝鮮女子は2勝1敗で2位に入り、男女総合優勝(勝点10)を果たした。今大会、注目を浴びたのは朝鮮代表を温かく出迎えた南朝鮮同胞らの熱い声援だった。4日、全州ワールドカップスタジアムで行われた男女の「北南対決」。アリランの歌が響き渡り、統一旗がなびき、祖国統一を叫ぶ…会場は南朝鮮の3万人の観衆たちの統一ムード一色にわいた。試合とは冷厳な勝負の世界。しかし、この日ばかりは北と南が一つとなった。

大きな拍手で迎え

ゴール裏の観客席に広がった大型の統一旗[写真=民族21]

 12年ぶりの公式戦男子北南サッカー対決を観戦に訪れた約3万人の南朝鮮サッカーファンたち。

 その中には約200人の「レッドデビル」応援団、その反対側には統一旗が描かれた白いシャツを着た市民団体、統一連帯と全北学校応援団800余人、そして体連の鄭元海会長をはじめとする日本各地から朝鮮代表を応援しに訪れた総聯同胞応援団約120人がいた。

 また、競技場の外と中には「北サッカー選手団を同胞の情で熱烈に歓迎します」「北サッカー代表選手団、ファイティング!」などの横断幕が掲げられた。

 選手入場とともにわきあがる大歓声―大きな拍手で迎えられた両選手団は手を挙げて応えていた。南の同胞らは統一旗をなびかせアリランを歌い、「オーピルスン(必勝)コリア」「チョーグク、トンイル(祖国統一)!」「ウリヌンハナダ(われわれは一つ)」などと叫びながら大きな声援を送った。

激しく競り合う北南の選手  [写真=聯合ニュース]

 試合は、朝鮮女子が0−1で惜敗、朝鮮男子は0−0で引き分けた。

 世界ランキング7位の朝鮮女子は26位の南朝鮮よりも客観的な戦力から余裕の試合が予想されたが、勝負はそんなに甘くはなかった。ボール支配率で前後半ともに上回った朝鮮だが、決定機をつかめず後半31分に決勝点を許した。一方、朝鮮男子は南朝鮮に主導権を握られ苦戦を強いられるも、いくつかのチャンスを演出。ディフェンス陣も堅い守備に撤し、失点を許さず引き分けに持ち込んだ。

 試合後、朝鮮男子のキム・ミョンソン監督は「北南の選手らが全州市民らの熱狂的な歓迎の中、とてもいい試合を見せたと思う。統一したような気持ちだった。アジアの強豪の南朝鮮と引き分けたことには満足している」と語った。

 また、女子のキム・グァンミン監督は、「とても難しい試合だった。結果が物語っているようにわれわれの攻撃を防ぐための守備がよかったと思う。北と南がわかれて勝負するよりも一日も早く統一し、一つのチームになればいい」と語っていた。

「一日も早く統一を」

女子の選手らも男子に引けを取らない試合で観客をわかせた [写真=聯合ニュース]

 今大会、男女の北南の選手らが同時に南朝鮮で会ったことが特別な意味を持っていた。南の市民らの気持ちがそれを物語っていた。市内に居住するパク・サンチョルさん(50)は、今回の南北対決をとても楽しみにしていたという。

 「両選手たちがとてもいい試合を見せてくれた。一日も早く統一できればいいという心情で観戦していた」と笑顔で語る。

 チャ・ジニさん(42)も同じく市内に住む。「どちらが勝つ、負けるじゃなくて、同じ民族が一つの場所で試合するということがとても重要だと思うんです。この会場の雰囲気をみんなに知ってほしい」。

 一方、総聯同胞応援団もJリーグのサンフレッチェ広島で活躍する李漢宰選手をはじめ、朝鮮選手に大きな声援を送っていた。

 北南の試合に気持ちを高ぶらせる同胞ら。長野から訪れた厳勝華さん(50)は、「この暑い中、勝負は別にして両選手たちはよくがんばった。とにかく会場の雰囲気がいい。統一を望む市民らの熱い気持ちが伝わってきた」とほほ笑んだ。

 「同族の試合は友好ムードが漂いすぎて覇気がなくてだめだなぁ」と冗談まじりに話す群馬の宋壹聲さん(51)ど吉守さん(48)。「明らかに日本戦の時の方が必死さがあった。でも久しぶりの北南対決に熱くなったのは確か。南の同胞らの熱い応援もよかった」と口をそろえた。(金明c記者)

[朝鮮新報 2005.8.9]