高麗杯「第5回ジュニアサッカー選手権大会」 子ども同士の友情満開 |
8月23、24の両日、高麗杯「第5回ジュニアサッカー選手権大会」(主催=(社)神奈川県サッカー協会、主管=神奈川高麗FC)が日産フィールド小机(神奈川県横浜市・日産スタジアム補助競技場)で行われ、日本のクラブチーム(横浜F・マリノスプライマリー、あざみ野FC)、神奈川高麗ジュニア、FCコリアジュニア、南朝鮮選抜と学父母、関係者ら150余人が参加した。23日夜には、恒例の「交流会」も行われた。大会開催に尽力する神奈川高麗アボジらの子どもたちにかける期待は高まるばかり。そんなアボジらの姿を追った。 「交流会」でのほほえましい光景
神奈川県サッカー協会の主催下、かつて「往年の名プレーヤー」として鳴らし、今では40代の、本格的な在日シニアサッカーチーム・神奈川高麗のアボジたちが「たくさんの方々の協力を得て進めてきた」という本大会も今年で5年目。地域交流、国際交流を通じての相互理解、サッカーの技術向上に少しでも役に立ちたいという、アボジらの熱意が大会には充満している。 「在日の生徒らにとって一番レベルの高い大会だろう」(関係者談)という大会への参加チームは、この年代(小学校高学年)のナショナルチーム的な実力をそなえる今年の全日本少年サッカー大会で優勝した横浜F・マリノスプライマリー、南の選抜チームなど強豪ぞろい。サッカーを通じた日・朝・南の交流に加え、普段接する機会の少ない日本と南の強豪チームとの対戦カードが同胞生徒、さらには在日サッカーの発展へとつながってほしいという神奈川高麗アボジたちの願いがある。 また、恒例の「交流会」では国籍を問わず、共に汗を流した仲間が心底打ちとけ、話しあえる「場」をもてることに大会の魅力があると関係者は話す。そこでの話題は、例えば「クラス編成は?」「背は何センチ?」「キムチは食べているの?」など。南と日本の選手の間には在日の子どもたちが通訳に入る。なんともほほえましい光景だ。 ハイレベルなサッカー体感できる「場」
神奈川高麗FCの安永秀副会長(50)は「子どもたちにハイレベルなサッカーを体感できる場を与えることで、高校で活躍する土台を築いてもらえたら」と期待を寄せ、神奈川高麗FCの文慶寿監督(48)は「大会への関心が高く、賛同、協力してくれる同胞が多い。地域の定番としてこれからも続けていきたい」と意気込む。 あざみ野FCの川手誠監督(36)は「子どもたちが交流会で得た良い経験を自身の小学校に戻り、在日の存在など伝えていくことが大事」だと語った。 また、神奈川高麗ジュニアの梁桂鳳監督(36、南武朝鮮初級学校教員)は「将来、北も南もなく統一チームになったそのとき、今大会での交流の経験はきっと生かされるはず」だと語る。 南朝鮮選抜の劉性煥団長(67)は「私たちの時代とは違い、今ではこうしてサッカーを通じた交流が可能になった。南北が統一チームとしてワールドカップに出場することも夢ではない」と感慨深げに語った。 大会に参加した神奈川高麗ジュニアのメンバーらも南の選手と「流行している遊びなどについて話しあった」(朴賢樹くん、初6、西東京第1)、「普段どう過ごしているかなど聞いてみた」(金永周くん、初6、南武初級)という。2人とも「交流会で言葉が通じ、ひとつの民族を実感した」と笑顔で語った。 関係者らは中華学校などの在日外国人学校への参加も積極的に促していきたいという。(李東浩記者) 【大会成績】 @南朝鮮選抜A横浜F・マリノスBあざみ野FCCFCコリアジュニアD神奈川高麗ジュニア [朝鮮新報 2005.10.6] |