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第3回KYC(青商会)CUP OVER30サッカー大会 中央江東が優勝 「同胞生活に密着した大会に」

地域活性化の土台作りを

 30代以上のサッカー愛好家たちの交流と親ぼく、同胞社会の活性化に寄与しようと開催されている第3回KYC CUP OVER30中央サッカー大会(主催=在日本朝鮮青年商工会・第3回大会実行委員会)が9、10の両日、静岡県裾野市の時之栖スポーツセンター・裾野グラウンドで行われた。大会には各地域から11チームが参加し、選手とその家族、関係者ら約230人が集まった。

継続、発展めざす

優勝カップとトロフィーを手にし、喜ぶ中央江東地域青商会のメンバー

 今大会に参加した11チームは、東京・中央江東地域青商会、青商会東北連合、九州青商会、KYC愛知、千葉KYC、岡山ピンナラFC、静岡OneCoreaFC、北関東連合、神奈川コリアナ、西東京朝鮮青商会、大阪朝鮮第4初級学校アボジサッカー部。

 初日は3つのグループで予選が、2日目は順位別トーナメントが行われた。

 「20代の頃は名プレーヤーだった」といわんばかりに、とにかく張り切り気合を見せる選手たち。お腹の出っ張りは少々気になるが、「まだまだ気は若い」とピッチを縦横無尽に駆けめぐる。

 シュートチャンスでワールドカップ級のスーパーゴールを決めたと思えば、最後の一歩が出ずに大事なところでつまずくなど、至る場面で珍プレーが見られた。

初日の夜に行われた懇親会で祝杯をあげる参加者ら

 決勝に進出したのは、唯一地域での参加となった中央江東地域青商会と第1回大会優勝の北関東連合。接戦をものにして勝ち抜いてきた両チームだけに、実力伯仲の展開となった。試合は前半の先取点を守りきった中央江東が優勝した。

 優秀選手賞に輝いた中央江東の金泰洙さん(36)は、「初級部から一緒にボールを蹴っている仲間ばかりなので、楽しくプレーできた。優勝できてうれしい」と笑顔で語った。

 初日の夜、懇親会が御殿場高原ホテルで行われ、食事とビールで試合の疲れを癒しながら、会話に花を咲かせた。壇上では各チーム、最年長者らが紹介され会場は盛り上がった。

 大会実行委員会委員長の朴明秀さん(青商会中央副会長、40)は、「4、5、6回と大会を継続させていきたい。多くの青商会員らが集まり、顔を合わせればみんなが気兼ねなくあいさつができる、そんな大会にしていきたい」と語った。

各チーム、思いさまざま

試合後の会話にも笑みがこぼれる

 平均年齢が最も高い大阪朝鮮第4初級学校アボジサッカー部は、1回大会から参加している。メンバーの半分が40代。どこでサッカーをやっても楽しく遊び心をつねに忘れない−そんな雰囲気がチームにはある。

 「勝敗にこだわらず、サッカーができることだけを楽しみにしてここに来ている」と話すのは、監督の李英好さん(44)。

 「この大会が勝ち負けだけで終わったらもったいない。みんなが集う、その延長線上に同胞らの生活に密着できるような大会になればいいと思う」

 青商会東北連合は、宮城の青商会員らを中心に、福島1人、秋田1人の15人での参加だ。監督の柳漢成さん(34)は、「徹夜で仕事をして、そのまま寝ずに来た人もいる。午前4時に出発して、現地に到着したのが午前11時。それでもみんなサッカーが好きだから苦にしない。大会で得たものを地域の活性化に役立てればいい」と語る。

 初参加で4位と健闘した岡山ピンナラFC。2002年6月に結成されたチームだ。チームのアドバイザーとして活動する李雄輝さん(33)は、サッカー関連の派遣業をしながら作陽高校サッカー部コーチも務める。

 李さんが熱く語る。「みんなには、生徒数が少なくても初、中級部のサッカーを盛り上げていきたいという強い気持ちがある。アボジたちがタッグを組んで、地域のサッカーを活性化できるよう土台を作っていきたい。3世がウリハッキョや同胞社会に何をどう残し、守っていくのかが大切だ」。

 青商会がつねに掲げてきた「ウリハッキョの未来のため」−大会は30代の親ぼくを深めるための、ただのサッカー大会で終わってはいない。(金明c記者)

【大会結果】

 @東京・中央江東地域青商会A北関東連合KYCサッカー部BKYC愛知C岡山ピンナラFCD神奈川コリアナE九州青商会F西東京朝鮮青商会サッカー部G千葉KYCH青商会東北連合I大阪朝鮮第4初級学校アボジサッカー部J静岡OneCoreaFC

[朝鮮新報 2005.10.20]