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〈全国高校ラグビー大阪府予選第3地区決勝〉 大阪朝高 東海大仰星に敗れる 「互角の戦い、自信を次に」

 第85回全国高校ラグビー大会大阪府第3地区決勝が13日、近鉄花園ラグビー場第1グラウンドで行われ、大阪朝鮮高級学校が東海大仰星高校に敗れた。3年連続「花園」出場はならなかったが、全国常連校の東海大仰星と堂々渡りあったフィフティーンに約3000人の同胞らは最後まで拍手を送り続けていた。「今日が大阪朝高ラグビー部にとって新たな一歩だ」と金信男監督は語る。

敵陣に幾度も攻め込むも、遠かった1トライ

 「大阪でナンバーワンの実力を持っているチームと言ってもおかしくない。正面から正々堂々とぶつかり、エキサイトでドラマチックなゲームを見せようと思う」。試合前、金監督はこう語った。

 メディア関係者らの戦前予想は、「東海大仰星が大差で勝利」−だった。しかし、その予想は試合開始と同時に覆された。

 平均体重差が10キロ以上にもなる相手と大阪朝高は互角に渡り合った。鋭い出足と固いディフェンスで自分たちのペースで試合を進め、前半を0−10のロースコアで押さえ込んだ。

 「負けてないで!」「まだまだいけるで!」

 全国制覇を果たせる実力校を相手にいつも以上の力を発揮する大阪朝高。同胞らの応援にも熱が入る。

あと一歩のところで「花園」出場の夢を断たれ涙する選手たち

 後半、モール、ラックと再三朝高陣営に攻め込む東海大仰星が地力を発揮した。モールから右、左への展開で、徐々に大阪朝高のディフェンスの出足が鈍り始めた。疲れが見え始めると連続トライを許した。0−29でノーサイドのホイッスル。

 泣き崩れる選手ら。応援に駆けつけた同胞と大阪朝高生徒らも涙しながら、その勇姿に大きな拍手を送った。選手らは応援してくれた同胞らに深々と頭を下げると、いつまでも顔を上げられずにいた。

 拍手は選手らが会場をあとにするまで鳴り止むことがなかった。

 金監督は、選手らを呼び一人ひとりに健闘を称えて握手した。そして、「よくやった…」と肩を叩いて泣き崩れる選手たちに言葉をかけた。

 韓泰樹主将(3年)は、「必ず勝つという気持ちで臨んだがダメだった…。とにかくワントライでも返したかった。みんなが全力を尽くしたので後悔はない。次は後輩たちに夢を託したい」と悔しさをかみ締めていた。

 金監督は、「負けたとはいえ、これで大阪朝高ラグビーの伝統が崩れたわけじゃない。全国レベルの強豪校と互角に戦えたことが、大きな自信となった。今日がわれわれにとって新たな出発の日。次にしっかりつなげたい」と試合を振り返った。

 観客席で試合を見守った同部1年生の金弘泰さんは、「次は自分がこの舞台に立つ」と心に誓った。あと一歩でたどり着けなかった「花園」への道。先輩らの堂々たる勇姿はしっかりと後輩らの目に焼きついている。(金明c記者)

[朝鮮新報 2005.11.17]