〈全国高校ラグビー東京都予選第2地区準決勝〉 東京朝高 久我山に1PG差で惜敗 猛攻むなしくノーサイド
第85回全国高等学校ラグビー大会東京都予選(主催=都高体連)。東京朝鮮中高級学校ラグビー部は第2地区を順当に勝ち進んだ。13日、準決勝が同部ホームの東京中高運動場で行われ、全国大会常連校の国学院久我山高相手に、接戦のすえ10−13で惜敗した。生徒、学父母、OBをはじめ2000余人の同胞らが試合を見守った。
前半、力強いモールからトライ。ゴールを決めて同点とした 試合会場で同胞らは、全国大会出場を目前に控え練習に励んできた生徒の勇姿に釘付けだった。後援会が準備したブルーの「朝高応援用風船」を片手に、固唾を呑んで熱戦に見入った。「必勝トライ東京朝高闘球部」「필승 이겨라 도꾜조고(必勝、がんばれ東京朝高ラグビー部)」と書かれた風船には後援会が寄せた朝高フィフティーンへの想いが表れていた。
試合前、申鉉秀監督(40)は選手と組んだ円陣で「最高の舞台だ。苦労は多かったが、みんなを信じてプレーしよう。必ず勝って試合後、同胞にあいさつするぞ」と激励。監督の言葉に選手らは気合いをかけあった。
今年のチームの特徴は、フォワードの強さとバックスのスピードで点を取るバランスの良さ。シード3回戦から出場し、対農大一高戦を114−0、準々決勝の対明中八王子高戦を66−3で制した。
後半、相手インゴールでグラウンディングできずに惜しくもノーサイド 試合は前半4分に動いた。ディフェンスの一瞬のミスから久我山に先制トライとゴールを許す。20分後、朝高も反撃に出た。敵陣左サイドのラインアウトから強いモールを形成し、そのままゴールラインまでの15メートルを一気に押す。李明昇選手(No.8、高2)がトライ。ゴールも決めて同点とした。その直後には相手の反則から得たペナルティゴールを決めて前半を10−7とリードのまま折り返した。
しかし後半、朝高はペナルティゴールをたて続けに決められ、逆転されてしまう。その後、相手陣内深くまで果敢に攻め、モールから再三再四、押し込むが相手インゴールでグラウンディング(インゴール内にあるボールを、プレーヤーが地面に着地させること)できずにノーサイド。朝高選手はその場にうなだれ、かがみこんだ。10−13という結果に涙があふれて止まらなかった。
試合後、呉基烈主将(高3)は「3年間の集大成だったのに3点差で負けるなんて。詰めの甘さが出た」と涙をにじませた。
申監督は泣き崩れる高3の選手らに「ラグビーに限らず、何事も常に努力して前に進まなければならないということを、これからも肝に銘じてほしい」と呼びかけ、「(東京朝高ラグビーは)まだ力不足」と評した。(李東浩記者)
[朝鮮新報 2005.11.17]