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朝鮮 第4回東アジア空手競技で好成績 銀メダル1個、銅メダル4個 着実に進歩する朝鮮の空手道

 10月26日から11月6日にかけて中国・マカオ特別行政区で行われた東アジア競技大会・空手競技で、朝鮮は銀メダル1個、銅メダル4個を獲得した。2001年11月にアジア空手道連盟に加盟した朝鮮にとって、今大会は5度目の国際大会出場。発足まもない朝鮮の空手道だが、着実に進歩していることを実証してみせた。

大会で大きな可能性

東アジア大会でメダルを獲得した在日同胞選手たち

 今大会空手道競技に朝鮮代表は5人が参加した。その中に、在日同胞3人(在日本朝鮮空手道協会所属選手)が含まれた。

 初の国際大会出場から3年。世界トップクラスにある日本の選手たちとの試合で惜しくも敗れはしたが、朝鮮の選手たちは大きな可能性を示すことになった。また、在日本朝鮮人空手道協会から朝鮮代表として出場した3人の選手たちは、国家代表選手としての誇りを胸に試合に臨んだ。結果、金洋日選手が銀メダルを獲得。在日同胞空手界の実力の高さを実証してみせた。

 準決勝で世界選手権を制覇した日本選手に敗れた全寿英選手は、「まだまだアジアの壁、世界の壁は厚いが、われわれのレベルが決して低くないことを実感した。これからもっと稽古に励み、朝鮮の国旗を胸にまたアジアの舞台、世界舞台にチャレンジしたい」と感想を述べた。

国家的な選手育成

東アジア大会で南朝鮮選手らと共に

 朝鮮では5年前から空手道の選手たちを国家的に育成している。01年アジア空手道連盟に正式加盟後は、大会出場を中心として国家的な挑戦を行っている。

 また、01年7月に在日本朝鮮人空手道協会が結成されてからは、在日同胞らとタイアップしながら本格的な選手育成が進められた。

 02年アジア・ジュニア・カデット大会(20歳以下の大会)、02年釜山で行われたアジア大会と国際大会に挑戦し、04年2月台湾で行われたアジア選手権では、河蓮福選手が女子53キロ個人組手で3位入賞を果たした。

 04年夏には朝鮮に多くの国を招待して第1回国際武道大会が開催され、朝高、朝大空手部、一般の在日同胞らが出場し好成績を残した。

 もともと朝鮮でも空手に関する関心は高く、平壌での国際武道大会開催を機に、国家的な選手育成事業も認知されるようになった。

 とくに女子は2度目の大会で銅メダルを獲得した河蓮福選手の実力が示すように、潜在能力も高く、すでにアジアのトップクラスに十分近づいているという評価を受けている。選手たちが多用する蹴り技はほかの国の選手たちの脅威となっている。

 在日同胞の中でももちろん空手熱は高い。02年から始まった空手道における朝鮮代表選手としての国際大会出場、これは在日同胞空手家に大きな夢と可能性を与えた。

在日同胞にも大きな夢

 朝高、朝大空手部でも国際大会出場を機に、選手たちの夢がふくらみ、稽古熱も急激に高まっている。

 とくに全国の朝高空手部では高体連の公式試合参加承認により、着実に実績を残している。

 神戸朝高3年の鄭勇喜選手は、今夏の全国大会に兵庫県代表として初出場し3回戦進出。大阪朝高3年の姜知衣選手は全国でもトップクラスにある大阪府で、国体強化選手に選ばれている。

 朝大空手部も今年から学連に加盟し、公式試合出場が本格化している。今回の東アジア大会で朝高を卒業した3人の選手たちのメダル獲得は、全国の朝高、朝大空手部の選手たちにも大きな夢と可能性を与えるきっかけとなった。

 朝鮮は、来年8月には平壌で第2回国際武道大会を開催する。また、12月にはカタール・ドーハで行われるアジア競技大会にも出場する予定だ。朝鮮の空手道がアジアや世界の国際舞台で活躍できる日が現実となる日も遠くないだろう。【在日本朝鮮空手道協会事務局】

[朝鮮新報 2005.12.15]