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「今や国家保安法の時代から南北関係発展法の時代に入ったと言っても過言ではない」。鄭東泳・統一部長官は8日、「南北関係発展に関する法律」が国会を通過した意味について説明する中でこう述べた。南の報道によると、同法は南北関係を「国家関係ではない統一を志向する過程で暫定的に形成された特殊関係」と規定しているという ▼どこかで聞いた台詞だと思ったら、1991年12月、北南高位級会談で採択された北南合意書のリード部分にまったく同じ文章がある。北南が共同で作った文書にある内容が南の内部法に反映されたわけだ ▼しかも、同法では北南の取引を「民族内部の取引」と規定し、政府の責務の中に朝鮮半島の平和増進、南北経済共同体具現、対北支援などを盛り込んだ。だからこそ、鄭長官も冒頭のように発言したのだろう。とはいえ、「そんな発言をするくらいなら保安法を撤廃してしまえば良いではないか」と皮肉の一つも言いたくなる ▼6.15共同宣言5周年を機に北南関係は大きく変化した。5年前の首脳会談以後の流れと比較しても、その変化は著しい。それもこれも、体面を捨てて実質的進展を図ろうと双方努めているからだろう。だとすれば、「冷戦と独裁体制を支えてきた」(民主人士宣言文)保安法はもはや必要あるまい ▼一方で、鄭長官は先日、あるフォーラムで講演した際、「北がベトナムのように進むことを望む」と発言して、北側から批判を受けた。南北関係の発展を望む発言と「体制の変化」を促すがごとき発言。決して両立しえない。(聖) [朝鮮新報 2005.12.10] |