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「農作物生育予報」

 昨年12月22日に一端日本に戻り、ちょうど1カ月ぶりに再び平壌に来てみて驚いたのは、市内にまったく雪が積もっていないことだ。閣僚級会談の取材で訪れた朝鮮最南端の済州島(昨年12月中旬)、そして異例の寒波が訪れた東京(1月中旬)で大雪に見舞われたが、この冬、平壌ではまだ一度も雪景色を見ていない。

 気温は平年並みだが、一番寒い1月上旬に気温が上がり、暖かくなり始める2月上旬に今季最低気温が記録された。

 このような「異常気象」もあって、市民の間で今年の天候が関心を集めている。その理由は、農業への影響だ。

 共同社説は、今年も農業を経済部門の課題のトップに挙げた。

 日本の気象庁にあたる気象水文局には、今後の天気に関する問い合わせが殺到している。各地の農業関係者からのものがほとんどで、昨年よりはるかに多いという。こうした要望にこたえ同局は農業科学院と一体となって、「農作物生育予報」サービスを開始する予定だ。

 2月下旬から10日に1回程度の割合で、中期天気予報と農作業に関するアドバイスを発表するという。たとえば、害虫の多発が予想されるので農薬をたくさん使ったほうが良い、平年並みの天気なので種まきの時期は例年通りで良い、など効果的な対策を地方別に解説するという。全国的な傾向は新聞、テレビなどのメディアを通じて報じ、細部は国内の通信網を通じて通達するそうだ。

 昨年は、近年まれにみる豊作だった。恵まれた天候や物資、人員の動員などその要因はさまざまだが、「科学農業」もそのひとつとして注目されている。農業科学院の研究者は、「土地に合った農作物の配置や植え方など、まだまだ改善の余地がある」としながら、昨年以上の増産は充分に可能だと話していた。(姜)

[朝鮮新報 2006.2.14]