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東京大空襲61周年 朝鮮人犠牲者追悼とシンポ、3月6日に

 昨年末、1945年の東京大空襲で犠牲となった朝鮮人の遺骨の所在が明らかになった。一部名前が分かっていたものの、東京都は何ら調査もしないまま数十年間も放置してきた。

 遺骨を確認した東京朝鮮人強制連行真相調査団は3月6日、東京大空襲61周年に際して犠牲者の追悼とシンポジウムを開催する。遺骨発見の経緯や空襲の体験談について報告が行われる。

名簿に朝鮮名も都は放置

空襲犠牲者の遺骨が安置されている都慰霊堂内部

 1945年3月10日、東京は米軍による空襲に見舞われ、隅田川を中心とした下町は火の海となり東京の3分の1以上を焼失した。犠牲者は少なくとも8万人以上、朝鮮人も多く含まれていた。

 大空襲から60年を迎えた昨年、空襲犠牲者の遺骨が安置されている東京都慰霊堂(墨田区横網町公園)に朝鮮人空襲犠牲者の遺骨が納められていることが判明した。東京調査団と日本人記者の調査で昨年12月、遺骨の存在が明るみになった。

 東京都は、戦後60年を迎え朝鮮半島出身者の遺骨問題や日本の過去の清算問題が注目されるなかでも遺骨の存在を放置していた。日本政府の「情報提供依頼」についても「ゼロ回答」していた。

 遺骨の所在をつかむきっかけとなった名簿は、都の公園緑地課が作成したもの。名前がわかっているのは約3700人で、明らかに朝鮮人とわかる名前が約20人分あったが、都は「部署での調査に限界があり把握できなかった」と釈明した。

 創氏改名による名前と思われる約30人を加えた計50人について、南朝鮮政府が公開している強制連行犠牲者の名簿に照らし合わせた結果、12人の名前が一致した。しかし、名前以外の手がかりがほとんどなく、犠牲者の戸籍や遺族を特定することは難しい。

 北南朝鮮には今でも日本に渡った家族を探している人たちがいる。南朝鮮の日帝強占下強制動員被害真相究明委員会には20万件以上の被害申告が寄せられた。

 「数十年間も異国の地に放置されてきたことを思うと胸が裂けそうだ。シンポジウムをきっかけに一人でも遺族がみつかれば」と関係者は語る。

日時=3月6日(月)、午後6時〜8時

会場=日本教育会館8階第2会議室(都営、営団地下鉄「神保町」駅から徒歩5分)

資料代=1000円(学生500円)

主催=東京朝鮮人強制連行真相調査団(TEL 03・3945・1177)

内容=講演「東京大空襲と朝鮮人」(東京大空襲、朝鮮人罹災を記録する会、金日宇)
    体験談「3月10日と私」(在日本朝鮮人教育会中央常任理事会顧問、鄭求一)
    報告「都慰霊堂の朝鮮人名簿と遺骨」(東京調査団朝鮮人側事務局長、李一満)

[朝鮮新報 2006.2.25]