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朝鮮学校生の国体「元年」

 兵庫県で開催される第61回国民体育大会(国体)。ここに神戸朝鮮高級学校女子バレーボール部主将の趙慶和さんが、同国体出場指定選手に選ばれたと聞いて会いに行った。

 昨年、日本体育協会の国体委が、出入国管理および難民認定法で定める「永住者」の大会参加を認めた。これに伴い朝鮮学校の生徒、監督らも日本人と同様に国体に参加できるようになった。

 「将来の夢は朝鮮代表選手になること」と語る彼女。この言葉、どこかで聞いたことがあるなと思いつつ話を聞いた。「バレーボールが本当に好き。神戸朝高、在日同胞の代表、県代表としてチームメイトと力を合わせていい試合をしたい」と語るその目は希望に満ちあふれるものだった。

 同部監督の金寛訓監督は、「サッカーの安英学選手の姿や全国大会での朝高の活躍をしっかり見ていますから。そんな影響もあっての言葉だと思う」。これを聞いて、安英学選手を取材した時にも「国家代表」への思いを淡々と語っていたことを思い出した。

 朝高がインターハイに出場できるようになった94年を皮切りに全国の舞台での活躍とともに、プロボクサー、Jリーガーなど、大舞台で活躍する選手らがたくさん出てきた。活躍の舞台が大きく広がることで、「世界」へと目を向けるのはごく自然なことだろう。そう考えると、趙選手の今後の成長がとても楽しみだ。

 国体選手選考会では、高い身体能力とサウスポーならではのバレーボールセンスで、存在感は他の選手を圧倒していたという。

 洪昌守選手、安英学選手らは「在日の星」と呼ばれる。高校生の趙さんに過剰な期待は禁物だが、将来、「バレーボール界の在日の星」になれるよう陰ながら応援したい。その前に、国体の初舞台を存分に楽しみ、伸び伸びとプレーして明るいニュースを届けてほしい。朝高生の活躍は同胞たちの力の源だ。(c)

[朝鮮新報 2006.2.28]