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大阪の象徴

 大阪・浪速地域で総連通天閣分会(西成支部)が先月結成された。新分会の結成を取材するのは初めて。何よりも大阪を象徴する街の分会ということもあり、興味は倍増だった。

 期待通り、支部委員長の開口一番、おもしろい話が聞けた。分会の名前を決めるのにいろんな案が持ち上がったという。

 素直に「浪速分会」、天王寺動物園から「動物園分会」、今宮戎神社から「えびす分会」、「大国町分会」に「ジャンジャン横丁分会」…。さすが大阪の象徴、「ネタ」に事欠かない。

 なかには漫画「じゃりん子チエ」の舞台になった街ということで「じゃりん子分会」にしようとの意見もあったという。

 「じゃりん子チエ」の主人公は在日朝鮮人がモデルだとの噂がある。主人公の家がホルモン焼き屋だということが根拠の一つだ。

 ホルモン焼きは、苦しい生活を強いられていた朝鮮人が、捨てられる牛の内臓部分を調理して生計を立てたことに由来すると聞いてきたが、異説もある。

 オムライス発祥の店とされる大阪のあるレストランでは、1930年代からホルモン料理を出しており、40年には商標登録までしたという。ホルモンの語源も「ほうるもん(捨てる物)」と体内分泌物の「ホルモン」の2説がある。

 こうなると何が真実かわからない。だが、大腸は朝鮮語読みのまま「テッチャン」と呼ばれ親しまれており、四番目の胃のギアラは、祖国解放後、米軍施設で働いていた在日朝鮮人が報酬(ギャランティー)としてもらったことに由来するとの説もある。

 いずれにせよ関連が深いのは確か。ホルモン料理が在日同胞を象徴する料理であることも事実だ。

 ホルモン料理はヘルシーで、人気料理として一躍脚光を浴びるようになった。通天閣分会が「大阪を象徴する分会」として通天閣とともに輝き続けることを願うばかりだ。(泰)

[朝鮮新報 2006.3.8]