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「守っていく」という想い

 先日、久しぶりに生徒がいる時間にウリハッキョを訪ねた。平日の下校時間前に校舎に入るのは少し緊張したが、とたんにそんなものは吹き飛んでしまった。

 ウリハッキョにしかない懐かしさももちろんあってのことだろうが、それだけではなかった。生徒たちが見知らぬ記者にあいさつをしてくれたからだ。掃除の時間だったようで、初級部の女子生徒が廊下の拭き掃除をしていた。記者が横を通るとみんな必ず顔を上げて「アンニョンハシムニカ」。感動してしまった。

 自分自身はきちんとあいさつができる生徒ではなかったように記憶するが、学校でそう教えられた記憶ははっきりと残っている。

 この日の生徒たちの廊下での会話や教員に話しかける口ぶりなどは、記者の学生時代とまったく変わりがないように見受けられた。母校でなくともウリハッキョを懐かしいと感じるのは、自分が生活していた頃と変わらないものが残っているからだろうか。

 昨年から今年にかけて、各地のウリハッキョが創立60周年を迎えている。記念行事で必ず強調されるのは、「これからもハッキョをみんなで守っていく」ということば。それを聞くたびに想いはみんな同じなのだと実感する。

 偶然にも同じ週、「枝川裁判」の口頭弁論があった。この日は先着順で36人が傍聴できることになっていた。記者が裁判所に着いたときにはすでに多くの人が並んでおり、列の最後に並ぶと受付が締め切られた。受け取った傍聴券は「36番」、最後の一枚だった。

 傍聴券が配られたあとから来る人たちも少なくなかった。口頭弁論が終わって法廷から出たときには、隣の待合室も廊下も人でいっぱいだった。報告会には60人以上が参加したそうだ。この問題への関心の高さがうかがえる。

 やはり、想いはみんな同じなのだ。(麗)

[朝鮮新報 2006.3.22]