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アボジたちから教わったこと

 「学校は古いし、生徒数も少ない。状況は厳しい。だからこそ、がんばって学校を守っていかなければならない」

 創立60周年を迎えた愛知朝鮮第7初級学校(愛知県瀬戸市)へ取材に行った際、トイレの補修工事をしていたアボジたちの言葉だ。

 同校では、祭休日にアボジたちが集まって「労働奉仕」をするのが当たり前のことになっている。同時に一仕事終えて、学校のことや地域同胞社会のことについて話しながら、焼肉をほおばることも「恒例化」している。

 今年の同校の学芸会では、アボジたちが補修工事や廃品回収など、年間を通じて学校のためにしてくれたことを振り返る演目があり、「最後に焼肉を食べました」というオチがどの話にもついていて、父母や同胞たちの大爆笑を誘ったそうだ。

 当然のことながら、アボジたちはそれぞれ仕事を持っている。子どもが学校に入るまでは、補修工事などやったこともないサラリーマンもいる。

 ただ、アボジたちに悲壮感はなく、とても楽観的だ。「学校を守る」という揺るぎない決意とともに、未来への夢、明るい展望を抱いているからだと思う。

 愛知第7に限らず、各地の朝鮮学校、ひいては総聯全体を取り巻く情勢はいつになく厳しい。

 しかし、こんな厳しい時だからこそ受身になるのではなく、確固としたビジョンを持って、どんなに小さなことでも自分のできることからやっていくことの大切さをアボジたちから教わった。(松)

[朝鮮新報 2006.4.11]