top_rogo.gif (16396 bytes)

〈朝鮮人強制連行と麻生炭鉱 −下−〉 許せぬ麻生外相の妄言癖

偏狭的歴史観を弾劾する

麻生鉱業所愛宕坑大和寮の朝鮮人鉱夫(1942年)

 (靖国問題など)以上のような発言からもわかるように、外務大臣麻生太郎衆議院議員の発言は、もはや事実や論理に合わないむちゃな妄言、相手の立場や実情をまったく無視するような暴言と言わざるをえない。

 私たち「無窮花の会」は、そのつど大臣に抗議した。その一例を次に紹介しておこう。

 「(要旨)麻生氏の(靖国問題の)発言について、韓国与党・ウリ党のスポークスマンは、11月28日、日本閣僚がこうした暴言を繰り返すなら、日本は嘆かわしくて歴史認識や罪の意識すらない国家であると烙印を押されるだろうと批判しました。また、中国各紙も28日、日本外相がまたも狂った発言(北京青年報)∞(首相の)靖国参拝に対する中、韓両国の批判を顧みる必要はないと、わめき立てている=i北京晩報)と報じています。また東アジアサミットに参加した韓国外交官は、一連の会議を通じて、靖国問題への中、韓両国の懸念が、日本を除く15カ国に共有されることになった≠ニ述べ、アジアで反日包囲網が広がっていると語っています。

 麻生氏は、自身がポスト小泉の一人とマスコミに報道されていることを意識してか、その地位を保全するために小泉首相を擁護したつもりであろう。しかし今回のような発言は、その度合いをはるかに越え、自らの偏狭的民族主義を露呈する結果となった。

貝島炭鉱で坑内作業の訓練

 首相の靖国参拝については、福岡判決、大阪高裁も憲法違反と判決を出しているにもかかわらず、三権分立を尊守すべき立場にあるはずの麻生氏が、司法の判断をまったく無視するとは、政治家の資質に欠けていると言うしかない。

 しかもあろうことか、12月13日の会見で、外相は票にならない、(外に)出て回っているより、いろんな人と会っているほうが票になるとの発言に至っては、怒りを越え、呆れるばかりである。外相という立場にありながら、自らの言動がわが国の国益を大きく損ねているうえ、アジアの共生と平和をないがしろにするという自覚もなければ、問題意識も持ちえないとは、日本のリーダーとなる資格すらないことを国内外に明らかにしたも同然であります。

 今回の発言を機に、中、韓両国内で麻生氏の家系≠ワで取り沙汰され、朝鮮人労働者の酷使と収奪の上に麻生家が栄えたという史実が報道されるや否や、氏に対する批判はさらに高まりを見せているのです。

 麻生氏の妄言癖は、今に始まったことではない。03年5月、東京大学で行った『創氏改名』発言が大きく批判されているにもかかわらず、無視を続け、韓国側の抗議に至ってようやく収拾に乗り出し釈明を行ったが、公式謝罪ではなく、かえって責任回避の姿勢を責められるという結果を招いてしまいました。

 私たちは、歴史の過ちを乗り越え、人権の世紀といわれる21世紀にふさわしい、新しい国際関係、新しい歴史を相互に構築しようと、相互理解を深め、友好と親善をモットーに、各地でさまざまな努力を続けています。にもかかわらず今回のような発言は、私たちの願いや努力に冷水を浴びせる愚行と言わざるをえません。

 私たちはここに、外務大臣・麻生太郎衆議院議員の偏狭的歴史観に基づく、差別発言を弾劾し、強く抗議するとともに、発言の撤回と公式謝罪、外務大臣の即時辞職を強く求めます」(2005年12月22日)

 抗議文の一例にすぎないが、私たちは、過去を否定したり、歴史的事実を意図的に風化させようとする閣僚らのさまざまな妄言に惑わされることなく、アジア各国の愛国教育に見習い、正しい歴史認識の基に、不幸な事実がもたらした痛みを分かち合い、共有し、謝罪し、償う国民性を志向すべきであろう。過去を否定して現時点から出発しようとする歴史認識のあり方を根底から改めなければ、私たち日本人としての国際社会における信頼は、得られないのではないか。(芝竹夫、ムグンファの会)

[朝鮮新報 2006.4.19]