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朝鮮人強制連行犠牲者の名簿公開、朝鮮人強制連行真相調査団

北海道−犠牲者名簿(PDF)

福岡県−犠牲者名簿(PDF)

●朝鮮人強制連行犠牲者の名簿公開に際して

 今回の名簿公開は、南北朝鮮と在日の数十万人とも言われる朝鮮人強制連行犠牲者の遺族に情報を伝えるために行うものである。

 戦後60年を経た今も、日本政府は、一部を除き強制連行犠牲者遺族に、「遺骨」返還はもちろんのこと「死亡通知」も行っていない。その結果、遺族は子孫の代になっても、日本に対する「恨(ハン)」が解消されず引き継がれたままになっている。

 日本政府は、2005年から朝鮮人強制連行犠牲者の遺骨調査を行うために@都道府県と指定都市、A関連企業、B全日本仏教会に「朝鮮半島出身者の民間徴用の遺骨調査情報提供依頼」を送付した。同年5月、日韓両政府は今回の調査を@人道主義、A現実主義、B未来志向の三つの原則に基づいて取り組むとし、9月28日に日本政府は遺骨関連情報を868件(乱詳細非公開)を確認したとの調査結果を公表した。

 日本政府が、強制連行犠牲者の遺骨調査を行うとしたことは前進とも受止められるが、具体的な対応と調査結果は不十分であり、遺族の思いに沿った「人道的」とは到底言えない。

 朝鮮人強制連行真相調査団は、日本政府に対し、1990年代から強制連行犠牲者の名簿公開等を強く要望してきた。しかし、日本政府は犠牲者名簿すら「プライバシー」保護との理由で非公開とし、今回の遺骨調査開始以降も同様の立場を貫いている。はたしてこれで調査が進むだろうか。(広島、長崎の被爆犠牲者の遺族を捜すポスターは毎年全国の市区町村に張られている。)

 この様な状況から、調査団は既に公開、出版されている資料を始め、多くの関係者の協力(出典及び解説参照)のもと北海道と福岡県の犠牲者約3000人分の名簿を整理し公開することにした。

 もちろん今回公開する名簿は、数十万人と推測される犠牲者のほんの一部であり、また当該地域犠牲者全てを網羅したものではない。

 しかし、強制連行犠牲者の氏名等を一括公表するのは初の試みである。

 今回の名簿公開が、日本国内でこの調査を行っている地方公共団体、企業そして民間研究者等が調査を進める上で参考になれば幸いである。

 日本政府は今回の名簿を含め、さらに多くの犠牲者名簿を保管している。日本政府は、「人道主義」原則を徹底させ調査方法を早急に改善すべきであり、真の「未来志向」的な関係を構築するためにも遺族の思いに真筆に応えなければならない。

朝鮮人強制連行真相調査団 2006年 5月25日

[朝鮮新報 2006.5.26]