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「4つの国籍」所有者の訪日

 今月6日に来日し、朝鮮会館および朝鮮大学校を訪れた中国・延辺科学技術大学の金鎮慶総長は、開口一番、「私は4つの国籍のようなものを持っている」と自己紹介した。

 米国籍保持者。さらに中国の永久市民権、朝鮮半島の北では永久滞留証を持ち、南ではソウル名誉市民だそうだ。

 南朝鮮に生まれ、欧米で勉学に励み、86年に中国社会科学院の招請で中国を初訪問した。ここで、同族が言葉と文化を守り続けていることに感銘を受け、朝鮮族が多く住む延辺に大学を設立する夢を抱いたという。92年ついに延辺科学技術大学を開校させ、「国際感覚に優れた有能な人材」を排出している。

 教職員の国籍は、米国、ドイツ、南朝鮮など10余カ国にのぼる一方、世界各国の100の大学、研究機関、企業などと関係を持ちながら交流を深めている。

 今回の総長一行の朝鮮会館、朝鮮大学校訪問は、朝鮮大学校などとの交流のきっかけをつくることが目的で、教員、学生間の交流や留学問題などについて意見交換していた。

 より多くの「国際人」を育てたいと語る金総長は世界各国を渡り歩いている。ちなみに、来年4月開校予定の「平壌科学技術大学」設立にも携わり、平壌にもひん繁に出入りしているという。

 総長一行が訪日したのは、ちょうどミサイル発射で対朝鮮非難の世論がピークに達している時だった。日本での異様なまでの騒ぎに触れ、総連側の関係者に何度も激励の言葉を送っていた総長の姿が印象的だった。(姜) 

[朝鮮新報 2006.7.26]