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在日Jリーガーとの出会いの中で

 在日同胞Jリーガーの連載を本紙で始めた。「ピッチの上に立つサッカー朝鮮代表11人が全員在日同胞選手だったら」−そうなれば確かにおもしろい、同胞社会の盛り上がりはどんなもんだろう、と想像をふくらませ、実現もしない夢のような話を在日同胞Jリーガーらと交わし、取材に打ち込んだ。(Jリーグに所属する在日選手はどのような気持ちでピッチに立っているのだろう)。そう思って始めた連載だった。取材をしていくうちに何かを「感じた」というよりも「学ぶ」点が多かった。ピッチの「外」と「内」からは見えるものが違ったからだ。

 個々人みなピッチに立つ気持ちやモチベーションは違うが、「在日」としてのモノの考え方が確立されていることに驚いた。「在日」としてほかの選手との「違う部分」をつねに強調する言葉からは、「在日魂」なるものが見え隠れした。それが培われた場所が朝鮮学校。現在J1、J2リーグに所属するすべての在日選手が朝鮮学校出身者だ。国籍こそ「朝鮮」「韓国」の違いはあるが、そのプライドを持って堂々とピッチに立っている。明確に言えることは好きなサッカーをまっとうしたいということ。そして、サッカー選手なら一度は立ちたいワールドカップの舞台が彼らの「民族心」をかきたてている。

 Kリーグで活躍する安英学選手、サンフレッチェ広島の李漢宰選手が朝鮮代表になったことで、国家代表への道がより身近になった。「第2の安、李」の登場−その火種はJのピッチで徐々にくすぶり始めている。(c)

[朝鮮新報 2006.8.9]