top_rogo.gif (16396 bytes)

留学同 「マダン2006」、東西で 同胞社会に自発的に貢献

 留学同主催の「マダン2006」が東西でそれぞれ行われた。西日本地域では5〜7日にかけて兵庫・淡路島で、東日本地域では6〜8日にかけて新潟・塩沢で開催され、同胞学生や関係者を含めて計200人以上が参加した。

講義、討論、公演、交流など

西日本

 西日本では、在日朝鮮人の民族性が希薄化していると言われる中、在日朝鮮人が歴史的、社会的にどのような存在であり、なぜ私たちが民族にこだわらなければならないのかを考えようということを行事全体の基本テーマにした。自身の体験談なども交えた留学同OBによる講演、BC級戦犯として捕らえられ処刑された趙文相氏をテーマにしたビデオの鑑賞、班別に分かれての討論などが行われた。

 また、本部対抗スポーツ大会や、各本部で用意した文化公演の発表、大阪朝鮮歌舞団による公演、キャンプファイヤーなどが行われた。

東日本

 東日本では、「過去、現在、未来との出会い」をメインテーマとしながら、同胞学生を取り巻く現状況の中での民族性継承の難しさと、それでも継承して行くことの大切さをテーマとした軽演劇「knock」が披露された。また、留学同OBでもある在日本朝鮮人人権協会の金東鶴理事を講師に招き、学生時代の活動を通して得たさまざまな教訓や権利獲得運動の現場に携わっている現在の体験を踏まえながら、在日朝鮮人運動の現情勢と今後の同胞学生の役割などについて話を聞いた。

 さらに、支部別対抗運動会と文化公演発表、「最強支部長」を決める「支部対抗三本勝負」が行われた。参加した各支部の学生たちによる熱い応援の結果、東京本部の法政大学支部が僅差で総合優勝に輝いた。

 今回の東西の各文化公演は、10月に大阪で開催される「中等教育実施60周年記念在日同胞大祝典」で行われる「サムルノリ、農楽競演大会」に向けた留学同内の予選として行われた。

参加者の感想

講義の様子 (西日本)

 参加した同胞学生たちは、軽演劇や講義、パネルディスカッションといった多彩な行事内容、所属本部を越えた交流、夜通しのディスカッションなどを通して、各人各様の新たな決意と、後半期の留学同活動に対する熱い想いを胸に刻み込み、各地方へと帰って行った。

 「今回のマダンのテーマであった『過去、現在、未来との出会い』は、私そのもので、今までの自分、マダンから多くを学んだ自分、そしてそれを軸としてこれからを生きていく自分なのだ。マダンに参加したことでこの重要な事実に気づくことができた」(上智大学1年生)。

 「この3日間を通じて私は、何度も自分の役割を『義務』や『任務』のように考えていた。しかし、そのような自分を犠牲にしようという心ではなく、自分の意思でこれからの同胞社会に自発的に貢献できることが大切なのだと知った」(上智大学1年生)。

 「自分は朝鮮学校に通っていた人より朝鮮人ではないんじゃないかなあと不安になって迷ったりしていた。でも、(講義を通じて)在日朝鮮人をそういうことで規定することではなく、歴史的血縁的なルーツと朝鮮人であることに対しての自分の意識でなりたてるものであることを再認識した」(立命館大学1回生)。

 「(在日朝鮮人を取り巻く現在の日本社会の状況について、その)歴史的背景を今からどうすることもできないけれど、過失があるからこそ今があるわけで、目をそらしてはならず、祖父や祖母など1世の人が経験したことを後世にも伝えることが3世、4世の私たちの使命だと思う」(愛知医療学院専門学校3年生)。

 「(マダンの講義や討論を通じて)思想を持って生きるということは、すなわち、自分のルーツを知っており、自分が何であるのかを知っており、これらに対して自分が何を考え、何をすべきかを知っているということだということを学んだ。人とはこのように生きてこそ、人生で何かを成し遂げることができるものだ」(同志社大学4回生)。【留学同中央】

[朝鮮新報 2006.8.22]