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「ウリ(私たち)の手で」

 NPO法人コリアン同胞生活支援ネット「ナビ」のホームヘルパー2級第1期通信講座が終了し、受講生19人が資格を取得した記事が11日付の本紙に紹介された。

 そのうちの一人は大学時代の友人だ。彼女は5月から約3カ月間、仕事が終わってから講義、研修、実技実習と資格取得に勤しむ日々を送った。食事の誘いにもなかなか顔を出さなかったほどだ。

 そして、「同胞高齢者のために」という一心で悪戦苦闘しながら受講した講座を無事終了。興奮と感動が冷めやらぬ中、3カ月ぶりに会った彼女は講座を通じて痛切に感じた思いを熱く語った。

 彼女がある病院へ実習に行ったときのことだ。「ヨギガ アッパー(ここが痛い)」とウリマル(朝鮮語)で看護師に訴えるハルモニ。しかし看護師は彼女に、「気の毒だが、何を言っているのかわからない」と困った様子だったという。

 今も同胞社会には、年金や財産もない、日本の福祉施設を訪ねるひとり暮らしの1世のお年寄りは少なくない。

 「一番苦労してきた1世のハラボジ、ハルモニたちは、ほかの誰でもなくウリ(私たち)の手で支えなくては」

 彼女の言葉が胸に重く響いた。

 14日付の本紙に、7月末に大阪の淀川地域で同胞高齢者のためのミニデイサービスが開設された記事が掲載された。

 ウリマルが飛び交い、ウリノレ(歌)、ウリ風習にあふれ同胞高齢者が心安らげる場は、私たちにしか作れない。(陽)

[朝鮮新報 2006.8.23]