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朝鮮訪問 第24次留学同代表団メンバーの感想

「祖国とのつながり実感」

 【平壌発=文−李松鶴、写真−盧琴順記者】軍事訓練の一環にすぎない朝鮮のミサイル発射を口実に、日本当局が「万景峰92」号の往来を遮断したにもかかわらず、その後も多くの在日同胞が朝鮮を訪れている。さる8月17日から9月2日にかけて祖国朝鮮を訪問した第24次留学同代表団は、平壌市内をはじめ板門店や妙香山などを参観したほか、朝鮮の青年たちとの交流会も行った。訪朝の感想について、団長を務めた朴東浩・留学同中央副委員長、初めて祖国を訪問した柳詠舜さん(京都大学2回生、20)、李杏理さん(東京経済大学1年生、19)に聞いた。

友人、先輩の話がきっかけ

柳詠舜さん

 李杏理(以下李):小学校からずっと日本学校に通っていたので、留学同の存在すら知らなかった。そんな折、仲のいい同胞の友人から留学同について聞き、祖国訪問も行っているという話を聞いて、ぜひ行ってみたいと思っていた。

 現在、日本では朝鮮についてわい曲して伝える報道が少なくない。在日朝鮮人に対するべっ視もさらに強まっている。そんなときだからこそ、朝鮮とはどんな国なのか、どんな人々が暮らしているのかを自分の目で確かめてみたかった。

 柳詠舜(以下柳):留学同の先輩から朝鮮を訪問したときの話を聞いて、自分も訪問しようと思っていた。それが今回実現した。

 朴東浩(以下朴):メンバーには朝鮮に行く前に3つのことを強調した。1つ目は日本での「常識」を捨てること、2つ目は見るもの聞くものすべてを自分のこととして受け入れること、最後に祖国の息吹を体で感じること。

 振り返ってみると、すべてのメンバーがこれを受け入れてくれたのではないかと思う。

印象に残る信川博物館

 李:信川博物館が最も印象深い。朝鮮戦争当時、米国が朝鮮でどのような蛮行を行ったのかを、今も現場に残っている傷跡と証言を通じて知ることができた。

 このような血の教訓があるゆえに、朝鮮が自衛をはじめとするチュチェの道をまい進しているのだということを、身をもって知ることができた。

 柳:まったく同感だ。信川博物館の参観は、自分にとって今回の訪問で象徴とも言える。平壌市内のいたるところや板門店などすべての参観地が信川につながっているように思えた。

 つまり、信川の教訓があったからこそ、現在の朝鮮があり、参観した地をはじめすべての朝鮮の地にチュチェの思想が行き渡っているのだということを実感することができた。

 李:朝鮮の大学生たちとの交流でも多くのことを考えさせられた。

 朝鮮の学生たちは、勉強はもちろん、将来のことや祖国のことについてなど、全ての面で同年代とは思えないほど考えが深かった。また、彼らが語る指導者に対する忠誠心の話には、胸を打たれるものがあった。

あたたかさ、つながり感じる

朴東浩さん

 柳:祖父母から父母と、日本で暮らしてきた在日3世として祖国の地を踏みしめたという感慨もあったせいか、初の訪朝にもかかわらず平壌の街並み、市民の表情を見ながらとても懐かしかった。

 李:日本のメディアでは、朝鮮の人々が無感情で冷たい人間であるかのように描かれているが、実際は一人ひとりがとても感情豊かで、優しい。また、歌を歌ったり、踊ったりしてもそれをとても楽しんでいるのが伝わってくる。日本のメディアはまったく伝えないことだが、当然のように朝鮮の人々にも暮らしがあるということを目の当たりにすることができた。

 一方で、祖国のあたたかさ、祖国と自分がつながっているということを実感できたことがとてもうれしかった。

地元、太平共同農場の青年らの案内で妙香山登山

 柳:在日同胞の多くが、祖国を訪問する前の自分たちのように日本メディアの悪影響を少なからず受けている。

 今回の訪問で見て聞いたことを留学同のメンバーだけでなく、多くの在日同胞、日本の青年たちにも伝えていきたい。

 李:反朝鮮宣伝、朝鮮人べっ視の動きに対抗する人たちのためにも、祖国の声を私たちが共有し、がんばっていかなければと決意を新たにしている。

 朴:今回の訪問を通じてメンバーは、本当の祖国とは何であり、どこなのかということを考えるきっかけを与えられたのではないかと思っている。

[朝鮮新報 2006.9.8]