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平壌の「文化情緒生活」

 最近の平壌発の記事で目立つのは、テニス、バスケットボール、卓球などのスポーツ、さらには釣り、ハトの飼育などが流行しているという類の記事だ。市民生活を垣間見ることのできる記事は、優雅ともとらえられる一方で、のんきともいえる。朝鮮半島情勢が極度に緊張している状況だけに、そのギャップから余計にこの手の記事が際立って見えるのかもしれない。

 この種の記事に必ず登場するのが、「文化情緒生活」という聞き慣れない言葉だ。

 記者が本欄に初めて言葉を登場させたのは、平壌滞在中の03年9月。この頃、全市民が「文化情緒生活」を営むよう強調されていた。

 それと同時に、特殊な機関を除いて日曜日には絶対に働いてはならないという措置が取られた。平壌の知人は、毎週日曜日になると、特段やることがないので何か趣味を持ちたいと漏らしながら、囲碁を教えてくれと言っていた。

 この措置が取られた翌年の04年頃から、市内にはスポーツ、レジャー施設が次々と整備・建設されていった。

 「文化情緒生活」を送ることが奨励される中で、一見生産性のないように思えるスポーツや趣味に興味を持つ人が、白い目で見られるどころか「模範的な人」と見られる風潮が一気に広まっていった。

 「文化情緒生活」の取材に応じてくれた市民らは、本社記者に生活が豊かではないことも隠さない。楽観と自信の表れでもあるようだ。(姜) 

[朝鮮新報 2006.9.26]