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〈同胞法律・生活センターPART3 B〉 再入国許可

 留学や商用あるいは結婚などにより、海外で長期にわたり生活をする若い同胞も少なくありません。数年海外で暮らそうと、また渡航先で市民権を取得して永住するような場合であっても、私たちのような在日同胞が両親や家族の暮らす日本に戻る際には「再入国許可」が必要となります。

 昨今の一連の「制裁措置」により、数次の再入国許可がスムーズに発給されなくなったという重大な問題もあるのですが、それとは別に、「再入国の期限が切れてしまったことに気づかなかった。どうすればよいか?」とか、「再入国の期限が迫っているが外国で更新はできるのか?」といったせっぱ詰まった相談が海外から電話やメールを通して寄せられます。

 海外滞在中に再入国の期限が切れてしまうと、日本を出国した時に遡って日本における在留資格を喪失し、日本に戻る際には新たに在留資格を取得しなければなりません。とくに私たち同胞の場合、「特別永住者」資格を喪失することになってしまい面倒なことになります。ですから、海外で暮らす人たちは期限をよく確認しておく必要があり、期限が切れる前にいったん日本に戻るか、渡航先の日本の在外公館で1年間の期限延長手続きを行わなければなりません。

 ここで注意すべきは、在外公館と旅券などは外務省の管轄ですが、私たちが所持する再入国許可は法務省なので、期限の更新について公館の職員がよく理解していないことがあります。在外公館で延長手続きができることや日本の法務省に直接問い合わせるようにきちんと伝えなければ、「できません」と対応してくれないこともあります。実際のところ、窓口の職員の不適切な対応で再入国許可の延長ができず、在留資格を失った同胞もいます。

 Q 語学研修で短期留学中です。うかつにも財布や再入国許可証の入ったカバンを盗まれてしまいました。帰りの航空券はあるのですが、日本に入国する際、どうすればよいでしょうか?

 A まずは、滞在先の最寄りの警察に盗難届を出します。その時に、旅券などを紛失した証明書を発行してもらいます。それで出国はできます。

 問題は日本への入国で、再入国許可を得ていることを証明しなければなりません。そこで、先の警察発行の証明書を日本にいる家族にFAXなどで送ります。家族に住所地の役所で外国人登録原票記載事項証明書を交付してもらい、次にそれを持って入国管理局の再入国の窓口に先の証明書と合わせて提出すると、外国人登録原票記載事項証明書の裏面に証印を押してくれます(その際、代理の家族の身分証明書が必要です)。時間の余裕があれば、それを滞在先に郵送してもらうか、または日本に入国する空港まで持ってきてもらうかすれば、無事に日本に入国できます。

 紛失や盗難に注意することは言うまでもありませんが、海外に出かける際には、このようなトラブルにも対応できるよう、外国人登録記載事項証明書や再入国許可書の写しなどを準備して、家族に預けておくのがよいでしょう。(金静寅、同胞法律・生活センター事務局長)

※NPO法人同胞法律・生活センターでは、暮らしをテーマにした各種の講座、学習会を企画し、そこに適切な講師を派遣します。地域の同胞を対象にした講座等の開催を検討されている総連本部、支部の担当者のみなさん、お気軽に事務局までお問い合わせください。TEL 03・5818・5424、FAX 03・5818・5429。

[朝鮮新報 2006.10.17]