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ブルーシート「第9ドーム」

 JR「阿佐ヶ谷」駅を降り、歩くこと数分。東京第9初級が見えてくる。

 同校で19日、創立60周年記念式典が行われた。

 この日、東京の天気はあいにくの雨で空気は冷たく肌寒い。しかし式典会場の同校運動場だけは「晴れていた」。というのも、大きなブルーシートによって学校の運動場全体がドーム状に覆われていたからだ。

 校庭に足を踏み入れた同胞はもとより、記者の目も点になった。雨の予報であったため、地域の朝青活動家と同校教員らが前日、前々日と昼前から深夜2時まで作業を行い、当日までに「第9ドーム」を作り上げたのだ。

 雨は式典の終わる15時まで止むことはなかった。記念式典に沸く会場、同胞は雨に濡れずに参加することができた。

 「歴史的創造物」との声も挙がったというこの「ドーム」は、横7枚、縦8枚のブルーシート56枚から成り、校舎の屋上から校門フェンスまで斜めに取り付けられた。2重に付けたガムテープのつなぎ目に運動場の砂がつくと剥がれるため、教室で作業し最後につなぎ合わせた。2日間の作業により、一枚の大きなブルーシート購入にかかる10分の1の予算で手作り「ドーム」は完成した。作業に参加した同校卒業生のある教員は、「はじめて運動場が広いと感じた」そうだ。

 当日、彼らの表情は疲労を感じさせない笑顔と自信に満ち溢れていた。参加者たちは、そんな新世代の姿を誇らしげに自慢していた。(東)

[朝鮮新報 2006.11.21]