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尼崎東初級部4年生の「朝・日交流」 共同作業で名前呼び合う仲に

 尼崎東朝鮮初級学校の4年生12人が2月24日、200メートルとない近隣の尼崎市立金楽寺小学校の4年生60人と交流した。この日までに両校の生徒らが、腕相撲など13種のゲームを「一緒に」準備した「スーパーオリジナル仲良し交流ゲーム大会」。「キムくん、キムくん」−日本の生徒が朝鮮学校の生徒に駆け寄り熱心に話しかける姿は、むつまじくほほ笑ましかった。

「大人になっても続けたい」

互いに準備してきたゲームを楽しんだ

 金楽寺小の体育館は子どもたちの笑顔で満開になっていた。尼崎東初級の生徒1人、金楽寺小の生徒5人でひとつのチームを形成、同級生同士、いろいろな13種のゲームを真剣な眼差しでこなしていた。

 2月初旬から毎週のように続けてきた交流。「仲がいいです。ダジャレとかも言うのでおもしろい。暇さえあれば遊びたいし、それを大人になっても続けたい」と金楽寺小の生徒が言うと、尼崎東初級の金廉くん(分団委員長)は、その生徒と寄り添いはにかみながら、愛らしく照れ笑いを浮かべた。金くんは「今日は楽しかった。また交流したいと思っている」と話した。

 この日、これまでと比べ、より近い交流を図った。両校の生徒らは、2月の初旬から毎週、チームごとにアイデアを出し合い協議し、「一緒に」ゲーム種目を発案したという。打ち合わせが一日で終わらない時には、ほかの日に金楽寺小の生徒が尼崎東初級に出向き、相談し合ったこともあった。そのような過程で互いが名前を覚え、呼び合う仲に発展した。5年前から徐々に行ってきた交流会でこのような風景が見られたのは今回が初めてという。金楽寺小学校4年生担任の村田比呂子先生は「一番の収穫」だと自負した。

会えばあいさつするように

ゲームとスポーツで交流を深めた朝・日の子どもたち

 総合学習の時間に国際交流を図ろうとしていた金楽寺小は、5年前に近隣の尼崎東初級に打診、民族の風習などを互いが発表しあってきた。しかし、地域に密着した交流をよりよいものに発展させるため、体と体が触れ合うスポーツ、ゲームなどでの交流要望が金楽寺小の生徒から出た。

 2月初旬から、週に一度の準備が「一緒に」始まる。共に体を動かすことで解けこみあい、距離が少しずつ縮まっていることを肌で感じることができたという村田先生。「金楽寺小の生徒が掃除をしている時、朝鮮学校の生徒が通りかかると互いにあいさつをする。地域でそのような関係が交流後も続いていくことを切に願っている」。村田先生は交流を通じた金楽寺小の生徒が、「北朝鮮バッシング」など一辺倒な報道、考え方をうのみにするのではなく、「それはおかしいのでは?」と一度疑問を投げかけるように育てたいという。「地域の子ども同士、仲間だという感覚をいつまでも忘れてはならない」と強調した。

なによりも「楽しんでいる」

 尼崎東初級の金炳秀少年団指導員は、「金曜日の3、4時間目を削ってまで今日のように共同作業をする過程を通じ、互いに名前で呼び合うという仲にまで発展した。これからも同学年同士のつながりを持続的に深めていくことが大事」だと定期的な「真の交流」への意義を感じていた。

 生徒が交流を「楽しんでいる」と話すのは尼崎東初級4年生担任の康成美教員(23)。毎週金曜日を楽しみにしていて、時間が過ぎるほど深まる互いの仲だけに、交流に心が引かれているようだという。「最近、日本語でしっかりとあいさつできるようになった。このような礼儀、道徳の面でこの間、子どもたちが成長した。また、交流は子どもたちが幅広い視野を養う契機にもなっている」と語っていた。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2006.3.4]