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都議会日朝議連のメンバーら、東京朝中高を初訪問

民族教育への理解深める 

 日朝友好促進東京都議会議員連盟(都議会日朝議連、桜井武会長)の議員ら12人が6月27日、東京都北区の東京朝鮮中高級学校を訪問した。都議会日朝議連として同校を訪問するのは今回が初めて。議員らは授業を参観したほか、生徒らによる小公演を観覧した。また、朝青朝高委員会(生徒会)の委員たちとも懇談し、同校と民族教育全般に対する理解を深めた。

活躍できる社会作りを

日本語の授業を参観する議員ら

 今回東京朝中高を訪れたのは、服部ゆくお(自民)、石井義修、高倉良生、大松成(公明)、増子博樹、花輪ともふみ、伊藤まさき、初鹿明博、斉藤あつし(民主)、曽根はじめ(共産)、山口文江(生活者ネットワーク)、福士敬子(自治市民'93)の超党派の各議員ら。

 見学に先立ってあいさつした具大石校長は、同校の歴史について説明しながら、同校および民族教育が置かれている厳しい現状について語った。また、「生徒たちは、祖国はもちろん、日本社会にも貢献できる人材。メディアの影響により朝・日間には憎悪と不信が募りつつあるが、生徒たちが心おきなく活躍できるような社会作りに尽力してほしい」と強調した。

生徒の準備した公演に拍手を送る

 パンフレットに基づいた同校の説明を聞いたあと議員らは、高級部1〜3年の授業を参観した。議員らは、「校内のポスターが朝鮮語と日本語で書かれているのは何か理由があるのか」「授業はすべて朝鮮語で行うのか」などと質問しながら、校内を興味深く見て回った。

 朝青朝高委員会の生徒との懇談会では、学校生活についていろいろと質問しながら将来の夢、朝鮮に対するテレビ報道への感想などを聞いた。生徒らは、「当面の夢は、『花園』(全国高校ラグビー選手権大会)に出場して同胞たちに夢と希望を与えること」「テレビ報道は、どこまで真実なのかが疑問。そうした報道のせいで、チマ・チョゴリを着た女子生徒に危害が加えられるのが心配」などと答えた。

記録認めないのは論外

生徒たちとの記念写真

 懇談会には、陸上部に所属する金瑞瑛さん(高級部1年)も参加した。

 金さんは、東京都高体連陸上競技部の主催で6月24〜25の両日に行われた第3支部学年別大会に出場。100メートルと走り幅跳びで自己ベストを更新し、100メートルでは4位に入賞した。

 金さんの出場した1年生大会では、各種目の上位8人が「選抜1年生大会」に参加できるものの、金さんは朝鮮学校生徒という理由で、同大会への出場はおろか、名前、校名、種目、記録など何一つ記載されていない表彰状だけを手渡された時の悔しさを、涙ながらに訴えた。

 金さんは、「監督から、過去、好成績を収めながらも上の大会に出場できなかった先輩たちの話を聞いていた。実際に自分がその境遇に置かれて初めて先輩たちの悔しさを実感した。東京都高体連陸上競技部は毎年、『来年は検討する』と言っているが、私たちはいつまでこんな悔しい思いをしなければいけないのか」「私が望んでいるのは、ただ、正々堂々と成績を競いたいということ」だと声を詰まらせた。

 議員らは、「大会に出場させて記録を認めないというのは話にならない」「彼女の代わりに繰り上げになった生徒の気持ちも複雑なはず」などと述べ、金さんの表彰状をコピーし、高体連に働きかけることを約束した。

 懇談会のあと、議員らは生徒たちと共に記念撮影し、今後も勉強やスポーツに励んでがんばるよう激励しながら、学校を後にした。(李松鶴記者)

[朝鮮新報 2006.7.1]