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西東京第1初中級学校 チマ・チョゴリ友の会関係者が講演

「差別」と「友好」の狭間 「朝鮮学校への暴力許さない」

学校を取り巻く現状について講演する愼基成校長

 第9回せたがや原水禁国民会議の定期総会が9月19日、三軒茶屋キャロットタワーで行われた。総会後の記念講演に西東京朝鮮第1初中級学校の愼基成校長、同校オモニ会の韓錦女会長、白京淑副会長、総連西東京南部支部・卞英道委員長とチマ・チョゴリ友の会から松野哲二代表が出席、「朝鮮学校生徒への暴力を許さない」をテーマに講演した。講演は、今年度から人権問題に取り組むとする、せたがや原水禁国民会議からの要請を受けた松野代表が、卞委員長を介して学校の協力を得たことで実現した。

 講演では最初に慎校長が在日朝鮮人のルーツ、民族教育の出発点などについて触れ、同校の状況について語った。そして昨今の朝鮮学校生徒に対する暴行、暴言、脅迫、いやがらせなどの状況について言及、「なぜ子どもに手を出すのか。子どもたちを守ってあげられないことが1番くやしいことで、何よりも心が痛い」と話した。そして一部の心無い人間のせいで「生徒たちに日本人がみな敵意を持っているわけではないと教えることがむずかしい」と述べた。

 韓会長は、チョゴリが切り裂かれる事件が発生したときの子どもたちの反応について話した。

 「民族の象徴と呼べるチョゴリだが、着せ続けていいのか、押し付けていいのかと葛藤した。脱ぎたくないとする生徒、しかしこれ以上危ない目に合わせたくはなかった。娘が泣きながら、なぜ着てはいけないのと言う姿を見てやりきれない気持ちになった」。そして今の子どもたちは「なぜか差別されている」と、「それでもやさしい人はいる」という感覚の狭間で動揺していると、その心情を代弁した。

 白副会長は子どもたちの、「なぜこそこそしなくてはいけないのか」「もうニュースを見たくない」といった反応や、サッカーのユニフォームのハングル文字部分を隠す姿を話し、「共存、共栄のためには理解が必要」と強く訴えた。

 よき理解者なくして日朝友好は不可能だと卞委員長は話す。そして「正しく分かり合わなくてはいけない。何が正しいのかを知るためには交流が必要だ」。

 食や文化を通じて交流を深めようとする市民団体、チマ・チョゴリ友の会は入会自由、脱会も自由で「屁理屈」で応援するのではなく、運営に積極的に寄与しようと、西東京第1初中のオモニたちが漬けたキムチの販売を手伝うキムチネットを展開している。「ぜひメンバーになってください。おいしいですよ」と松野代表は呼びかけていた。

 質疑応答に続き食事会が行われ、参加者は交流を深めた。(鄭尚丘記者)

[朝鮮新報 2006.10.2]