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生野朝鮮初級学校公開授業 「来て見て知って交流しよう」

初めて朝鮮学校を訪れる参観者が多かった

 「アンニョンハセヨ!」

 子どもたちの声が廊下にこだまする。参加者は元気なあいさつに笑顔で応えた。

 「来て見て知って交流しよう」と、生野朝鮮初級学校の公開授業が11月18日に行われた。チョソンハッキョを楽しく支える生野の会、女性同盟生野南、生野東、中西、東阿支部、同校オモニ会による主催。日本市民、関係者を含む約130人が参加した。「自分の子どもを守り、さらに朝・日の子どもたちがどのような情勢下でも互いの違いを認め合う、共生社会を育んでいこう」とオモニたちは呼びかける。

 「昨日の晩ご飯はなんでしたか?」

 「忘れた」

 「きつねうどん」

 「キャビア」「欧米か?!」

教室からあふれる参観者たち

 これは人々の行動や生活様式と文化との相互関係、民族の文化について考える「社会」(6年)の授業の一場面。参観者たちは元気な生徒の姿に「なんか違うな」とこぼした。

 そして初めて朝鮮学校を訪れた彼らは、展示された教科書に手を止め、「どうしてあんなに元気なんだろう」「なんで全員があんなに授業に集中できるんだろう」と首をかしげていた。

 公開授業に続いて高学年生徒たちによる小公演が披露された。近畿朝鮮学校芸術コンクールで金賞に輝いた器楽合奏、男性重唱、群舞など課外教育の成果が発揮された。

 ここでも参観者たちは、目を丸くして公演に見入っては大きな拍手を送っていた。彼らには朝鮮学校の日常風景が特別なものに映るようだ。

 しかし、小公演後に開かれたパネルディスカッションで彼らはまた違う驚きに接する。

 李英敏校長は朝鮮学校の現況について言及、日本が抱える教育の問題点を指摘し、地域、父母、教職員交流のモデルケースになりうる学校のあり様について述べた。

 朝鮮学校を支える会の代表は「生徒たちは元気で明るく礼儀正しい。これは実際に見ないとわからないこと。違いを認め助け合う機会にしよう」と話し、梁明美氏(オモニ会6学年責任者)は税金、助成金の矛盾点に触れ、実態について語った。

 さらに、「ゴミ問題」についても言及され、生野朝鮮学校のゴミ処理が一般ゴミと同じ扱いをされていることが指摘された。

 草薙義雄町会長(生野舎利寺連合田島1丁目南振興町会)は「助成金のあまりの少なさにびっくりした。また学校のゴミが有料とは考えもしなかった。町会を挙げてできるかぎりの応援をしたい」と感想を述べた。このほかにも「おそるおそる参加したが、信頼関係でつながる先生と生徒の姿に釘付けになった」「この厳しい状況下で運営を続ける先生と父母たちに感嘆する」「朝鮮学校は日本の社会矛盾を映す鏡のようだ」との声が寄せられた。

 また「各地に『支える会』が形成されつつある。がんばっていこう」との応援の声も寄せられた。

 最後にオモニ会から給食がふるまわれた。給食も自主運営していることに参加者はまた驚いていた。(鄭尚丘記者)

[朝鮮新報 2006.12.11]