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〈60周年を迎えた朝鮮学校の現場から〉 南武初級 創立60周年記念式典

同胞らの想いはひとつ 学芸会に拍手喝采、420余人が参加

 南武初級創立60周年記念式典が11月26日に同校体育館で行われ、卒業生、同胞、日本人士ら420余人が参加した。参加者らは式典に続き行われた華やかな生徒の学芸会に拍手喝采していた。また、同胞祝賀会では朝鮮民謡に体を預け歌い踊り、同校創立60年の歴史にしみじみふけっていた。「南武初級創立60周年記念行事準備委員会」ではこの間、南武初級に縁のあるすべての同胞に感謝し、慶祝一色の雰囲気でもてなすための尽力を惜しまなかった。

学校死守の記憶消えず

民謡に合わせ歌い踊る同胞ら

 初代オモニ会会長を歴任した孫用順さん(65)が会場を訪れた。4期卒業生。「アボジ、オモニたちがスコップと鎌を手に学校を作ってくれた」と新校舎設立当時(1949年)を回想する。しかし、GHQ占領軍に「襲撃」されたときの話をすると表情が締まった。「あまりにも悔しくて悲しくて…。先生たちと死んでも机を離さないつもりだった。ちゃんと取り戻しましたよ」。記憶をたどるその目が一瞬光り、涙があふれる寸前だった。

 孫さんと同級生の同胞男性は、「南武の同胞は昔から情に深く心はひとつ。家族のようだ。だから子どもたちが素直に育つんだよ」とほほえんでいた。

 「言いたいことは山ほどあるけど頭の中がこんがらがっちゃうわよ」。1期卒の崔玉淑さん(73)はこう話しながら、「昔から何をやってもできる生徒が多い。デモに行くとなったら全同胞が立ち上がったんだもの」と自慢げに話す。

いっそうの発展のために

生徒たちの公演に笑みがこぼれる

 南武支部の姜皓遠委員長(60)は1983年から16年間、同校教育会会長を努め、今日も南武支部の活性化に献身している。「教職員を中心に同胞らの団結力が最高の記念式典をもたらした。なによりもハイレベルな生徒の学芸会を一目見ようと420余人も学校に訪れた」と顔がほころんだ。

 現教育会会長の尹徴漢さん(59)は12期卒業生。世界に進出するための基礎を磨く出発点として「これからも民族教育のよりいっそうの発展に尽力したい」と意気込んでいる。

 同校は決して大きな学校とはいえない。しかし利点として、最大限に生かしている。というのも、いろんな契機が生徒らに与えられ、たくさんの経験を積み多様な可能性が生まれていくからだ。

 この日、同校を訪れたある議員は自身のホームページで「教育は非常に重要なものだということを痛感した」と感想を綴った。

 式典が終わり目を輝かせ「先生!」と走り寄り添う生徒らの姿に、「生きる力」を育む同校教員への信頼が垣間見えた。(李)

[朝鮮新報 2006.12.22]