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〈北南関係の現状〉 民間−対話が活発、当局−動きが膠着

 今月末に開催が予定されていた第18回北南閣僚級会談が4月に延期された。同時期に米、南朝鮮合同軍事演習が行われるからで、北側団長は11日に南側首席代表に送った通知文で、「敵対的な戦争演習と平和的な対話は両立しえない」と強く非難した。李鍾奭、鄭東泳の現・前統一部長官の開城工業団地訪問も延期された。当局間の動きが膠着化する一方で、民間の対話は相次いで行われている。女性、青年、労働者の各団体が代表者会議を開き、6.15共同宣言実践のための今年の対策を話し合った。

労働者、青年、女性が代表者会議 6.15宣言実践へ、対策討議

10、11日に中国の瀋陽で行われた、6.15共同宣言実践のための第4回北、南、海外青年学生団体代表者会議

 14日に開城で行われた6.15共同宣言実践のための北南労働者代表者会議では、6.15共同宣言の基本精神に即して「わが民族同士」力を合わせて民族の自主と平和、民族大団結を実現する運動の先頭に労働者が立つことを誓い合った。また、「6.15民族共同委員会」を名実共に全民族的統一運動連帯組織に強化するため、労働者の役割をさらに高めることも話し合った。

 細かい点については実務接触で決められるが、北側は5月1日のメーデーに平壌で開かれる労働者大会に南側から200人余が参加してほしいと要請した模様。南側が提案した代表者会議の定例化も今後の実務会談で詰める。

 これに先立ち10、11日には中国の瀋陽で、6.15共同宣言実践のための第4回北、南、海外青年学生団体代表者会議が開かれ、今年統一運動の方向について討議した。

 会議では演説と討論が行われ、一様に自主統一、反戦平和、民族大団結を実現するための3大愛国運動の先頭に青年たちが立つべきだと主張した。

 会議で採択された決議は、6月13日から8月15日までを「自主、平和統一共同運動期間」に定め、多彩な連帯活動を行うことを明らかにした。

 一連の代表者会議の口火を切ったのは女性。10日金剛山で開かれた6.15共同宣言実践のための北南女性代表者会議では、戦争を防ぎ、平和を脅かす根源をすべて除去するために南北の女性たちが力を合わせることについて指摘。日本の過去清算と関連して、「従軍慰安婦」問題解決に共同で対処していくことで意見の一致を見た。

 これらの会議では大枠での統一運動方針が話し合われた。具体的な活動内容については、実務会談を通じて決定される。

〈解説〉 統一運動から落伍の印象、6.15の理念に背く外勢との演習

 【平壌発=姜イルク記者】北側が外国勢力との合同軍事演習に反対するのは、それが6.15共同宣言の根本理念に背き、北南関係を危うくするからだ。

 昨年12月に済州道で行われた第17回閣僚級会談でも、北側はそうした立場を明白にしていた。会談で北側団長の権浩雄・内閣責任参事は、「和解と協力を主張する一方で、相手を威嚇する外国勢力との合同軍事演習を行うことは、いかなる理由をもってしても正当化できない」と指摘し、合同軍事演習によって良好に発展する北南関係が一瞬のうちに冷却化し、当局間対話がすべて遮断された過去の事実から教訓を得る必要があると警告していた。

 昨年、北南関係は「第2の6.15時代」と呼ばれる新たな発展段階に入った。

 今年1月に平壌で開かれた朝鮮政府、政党、団体合同会議では、昨年の成果に基づき当局と民間が歩調を合わせて民族の和解と団結の流れをともに推し進めていこうと呼びかけた。つづいて行われた2月の6.15共同宣言実践民族共同委員会(6.15共同委員会)でも6.15大祝典の開催などで合意した。

 今年初めてとなる閣僚級会談が延期されたことは、当局が統一運動を推進するのではなく、むしろそこから落伍する印象を与えてしまった。しかも、南側首席代表が交代したあと、初めてとなる会談だけに、第一歩からつまずいた感は否めない。

 開かれたウリ党議長となった鄭東泳・前統一部長官は、年末の済州道閣僚級会談の席上、北南関係がこれ以上中断したり後退することがあってはならないと強調した。

 今年の北南関係の発展方向と速度は、双方の当局が合意した和解、団結の精神をいかに順守していくかにかかっている。

[朝鮮新報 2006.3.20]