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増産のカギは科学技術に 営農技術改善で前進期待

 【平壌発=李相英記者】農業を経済建設の重要課題に掲げている朝鮮では、一貫して農業の情報化、科学化を推し進めてきた。昨年はその成果が顕著に表れ、例年にない豊作をもたらした。現在も多収穫品種と先進営農技術の導入など、食料問題解決のための技術的対策が取られている。関係者らは、「増産のカギは科学技術にある」と口をそろえる。

品種改良で収穫増

 朝鮮は山地が多く耕地面積が限られているので、面積当たりの収穫を増やすことがとくに重要だ。農業科学院の育種研究機関では、各地の地質と気象条件に合った2毛作、3毛作で効果を発揮する品種を開発している。

 関係者によると、1ヘクタール当たり3〜4トンの在来品種に比べ、新品種は7〜8トンまで増加が見込めるという。

 各地協同農場では多収穫新品種の導入を急いでいる。

疎植への移行加速

科学農業を推し進める黄海南道載寧郡の協同農場員

 先進技術の多くは栽培分野で導入されている。

 とくに、従来主流だった「密植栽培」を「疎植栽培」に転換する農場がここ数年で大幅に増えている。

 「密植栽培」とは高い密度で穀物を植える栽培方法で、1坪当り120〜150房を植える。これに対し、「疎植栽培」は60〜70房。密植栽培の約半分だ。労力と資材を節約しながらも収穫量は高いとあって、今後も疎植栽培方法への移行が加速化していく見通しだという。

 こうした傾向の要因について関係者らは、多収穫品種の開発と導入、科学的営農工程の確立など、疎植栽培ができる環境が整ったためと説明している。

 一方、トウモロコシなどの穀物を植える際に余分な空間をつくり、そこに豆などを植える方法も導入されている。限られた土地を有効活用するための試みで、成果があるという。

チュチェ農法堅持

 農業科学院では、綿密な現地調査に基づき▼作物構造の改善▼作物品種の選定▼営農工程の科学化、計画化の3段階で農場に対する科学技術指導を行っている。

 たとえば、地質が良くかん水体系が整っている地帯では穀物対穀物の2毛作、3毛作を奨励し、地質が良くない地帯ではトウモロコシやジャガイモ、豆などを植えるようにしている。

 該当する地帯それぞれの気候、土壌の特性に合った作物構造、品種選定を徹底させるのが朝鮮農業の基本方針だ。これは、「適期適作、適地適作」を柱とするチュチェ農法の原則に沿ったものだ。

 関係者らは、潜在力を最大限に発揮すれば、これからも増産は可能だと話している。

[朝鮮新報 2006.6.17]