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〈検証 ミサイル問題Q&A@〉 ミサイル発射の目的は?

圧力増加、自衛の対抗措置 対話解決路線は不変 

  5日、朝鮮はミサイル7発を発射した。その直後の6日、朝鮮外務省スポークスマンは「自衛的国防力強化のためにわが軍隊が正常に行った軍事訓練の一環」と説明した。にもかかわらず、米日はこの問題を国連安全保障理事会に持ち込み15日に「決議」を採択するに至ったが、朝鮮外務省は即時に「(決議には)拘束されない」とする声明を発表した。今回のミサイル問題とは何か。Q&A方式でまとめた。【ミサイル問題取材班】

 Q なぜミサイル発射に至ったのか?

 A 朝鮮はミサイル発射に先立ち、米国の対話意志を確認した。

 6者会談のこう着状態からほぼ半年が過ぎた6月1日、朝鮮外務省スポークスマンは6者会談の米国側団長を平壌に招待することを内容とする談話を発表した。談話は、「われわれは、米国が心から(05年9月の6者会談)共同声明を履行する政治的決断を下したのであれば、それについて6者会談米国側団長が平壌を訪問してわれわれに直接説明するようあらためて招請する」と指摘した。

 6者会談は、「9.19声明」という結実をもたらしたにもかかわらず、直後に米国が朝鮮に対する金融制裁を実施したことで昨年11月の第5回会談(第1ラウンド)以来中断されている。米国は「先核放棄」が反映されていない共同声明の履行を嫌い、金融制裁という障害をわざとつくっている、と朝鮮側は見ている。

 朝鮮側は、「制裁は金額の問題ではなく米国がわれわれと共存する意思、同時行動の原則で解決する意志があるかどうかの試金石と見ている」(韓成烈、国連代表部次席大使、5月22日)。そのため朝鮮側は、米国が金融制裁を解除すればいつでも6者会談を再開できるという立場を取り、制裁の解除を要求してきた。

 しかし米国は、年初に予定されていた6者会談朝鮮側団長の金桂寛外務次官の訪米を不許可。4月に東京で開催された「東北アジア協力対話」に参加した6者会談の朝米団長接触も拒否するなど、朝鮮との対話をことごとく拒否してきた。

 6月1日の「招請」にも応じなかった。そのため朝鮮は、米国が共同声明を履行する意志も、朝鮮と話し合う意志もないことを確認した。

 99年の朝米合意には長距離ミサイル試験発射の臨時中止は、対話がなされている期間に限ると指摘されている。

 しかも朝鮮外務省スポークスマンは05年3月、ミサイル発射の臨時中止合意はすでに效力を失ったと明らかにした。今回の6月1日談話でも、「米国がわれわれを引き続き敵視して圧力の度数を高めていくなら、われわれは自らの生存権と自主権を守るためやむをえず、超強硬措置を取るしかなくなるであろう」と指摘した。

 このように「超強硬措置」に対する警告は以前から行われてきた。対話の中断の中でついにミサイル発射に至った。

 Q 発射の目的は?

 A 米国は金融制裁に加え、朝鮮を念頭に置いた大規模な「リムパック−2006」合同軍事演習を6月25日から行っている。太平洋上で、今月29日までの予定で行われている演習には、計2万余人の兵士と50余隻の艦船、百数十機の戦闘機などが動員されている。こうした米国の脅威に対応した自衛的措置だといえる。

 事実、朝鮮外務省スポークスマンは6日、ミサイル発射の目的が「自衛」であると明らかにした。スポークスマンは朝鮮中央通信社記者の質問に答え、「われわれのミサイル開発と試験、生産および配備は、東北アジア地域で力の均衡を保ち、平和と安定を保障する主たる要因となっている」と強調し、今後も自衛的抑止力強化の一環としてミサイル発射訓練を続けると表明した。また、これに圧力を加えようとするなら、他の形態のさらに強硬な物理的行動措置を取らざるをえなくなると警告した。

 しかし同時に、「6者会談の9.19共同声明で公約したとおり、朝鮮半島の非核化を対話と協議を通じて平和的に実現しようとするわれわれの意志は今も変わりない」とも強調した。

 朝鮮は、米国が敵視政策を撤回し、朝米間に信頼が築かれて米国の脅威をこれ以上感じなくなれば、一つの核兵器も要らなくなるという立場を再三明らかにし、核放棄に対する戦略的決断をすでに下した。これは6者会談共同声明に反映されている。

 朝鮮側は、核放棄問題とともに、双務関係正常化、平和共存、平和協定締結、軽水炉提供など共同声明の条項を「同時行動」の原則に準じて十分論議する準備ができているという。

 逆に米国は、共同声明を履行する決断を下せないでおり、いまだに朝鮮の「体制転覆」を狙っている。それは、朝米2国間接触を拒否し続けるブッシュ政権の態度に如実に現われている。

[朝鮮新報 2006.7.22]