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音楽教育の最高峰 金元均・平壌音楽大学を訪ねて 「世界レベルの音楽家育成」目標に

 【平壌発=文−李相英記者、写真−盧琴順記者】朝鮮の高等音楽教育の最高峰、平壌音楽舞踊大学が、「金元均名称平壌音楽大学」として新たに生まれ変わった。大同江のほとり、約5ヘクタールの広大な敷地に、基本校舎や専攻学科校舎、コンサートホール、大小3つの講堂、寄宿舎、体育館などのさまざまな施設が建設された。6月30日の新校舎竣工式に続き、今月3日には初授業が行われた。著名な作曲家の名を冠して再出発した同大学には、次代を担う若き音楽家の育成機関としてさらなる期待が寄せられている。

名称新たに再出発

金元均・平壌音楽大学外観の一部(音楽堂)

 2003年、金正日総書記の指導のもと、従来の平壌音楽舞踊大学から舞踊学部を切り離して別途に舞踊学院を設立する一方、その他の学部を基本とする平壌音楽大学を新たに設立する国家的措置がとられ、04年に着工した。場所も大同江区域・紋繍公園近くに移された。

 最高人民会議の政令により、大学には、「金日成将軍の歌」や「愛国歌」などを作曲し5大歌劇創作にも深く関わるなど朝鮮の代表的な音楽家として知られる作曲家・金元均(人民芸術人、1918〜2000)の名が冠された。

 金元均名称平壌音楽大学の前身は、1946年9月1日に創立された平壌音楽学校にさかのぼる。平壌音楽専門学校への改編を経て49年3月1日、「大学制による国立音楽学校創設に関する内閣決定」が発表され、朝鮮初の高等音楽教育機関である国立音楽学校が創立された。同大学ではこの日を創立記念日としている。52年、平壌音楽大学に改名、72年に平壌芸術大学と統合し平壌音楽舞踊大学となった。その後今日まで数多くの優秀な人材を輩出してきた。

 同大学は4年制の声楽、民族器楽、洋楽器、作曲の4学部と、2年半の博士院で構成されている。

 9階建ての大学基本校舎には、30余の講義室、専攻学科授業室および練習室、外国語授業室、電子図書閲覧室などが入っている。また、800席の観覧席を備えたコンサートホールや録音スタジオ、各種練習室、音響調節室、照明調節室などに最新の設備が導入された。専攻学科の教室は練習スペースと個別授業スペースに分かれ、各自の専攻分野の技術向上に適した造りになっている。

「教則本式教育」から脱皮

声楽学部芸術学科の初授業

 大学の教育目標は「世界レベルの音楽家育成」だ。

 各道の芸術専門学校や芸術学院などの音楽専門教育機関から優秀な学生が推薦され、さらには厳しい選考基準の下、大学側が入学試験を通じて審査する。学生数も「少数精鋭主義」に従い、従来の1200人から800人規模に縮小された。

 「芸術は才能7割、教育3割」だと、大学関係者らは断言する。

 「実力がないと判断されたり、成績が悪い学生は、芸術専門学校や芸術学院に落として、代わりにそこから有望な学生を入学させる」など、大学の方針は甘くない。

民族器楽専科室での初授業

 卒業後の進路は、万寿台芸術団、国立民族芸術団、ピパダ(血の海)歌劇団など国内の一流芸術団体へ進む場合と、博士院を経て教員や指導者の道へ進む場合とに分かれる。

 大学関係者は、「地方の芸術学院などが主に芸術の大衆化に貢献することが目的だとすれば、われわれの大学は国の誇る音楽家を育てる場所」だと語る。音楽分野のエリートを育成する機関として位置づけられているため、平壌美術大学や平壌映画大学と同様、一般の大学とは異なり文化省傘下に置かれ、国の文化芸術部門の直接指導を受けている。

 同大学では今回の再出発を機に従来の「教則本式教育」を見直し、より多様で柔軟性のある教育を目指している。学年別に厳密に決められていた課題曲の習得課程案を機械的に押し付けるのではなく、個々の才能やスタイルに合わせ柔軟に適用することや、個別指導による専攻教育の強化、外国音楽を教材として積極的に取り入れることなどが主な内容。こうすることによって「声楽家を例に挙げるなら、洋声も民謡もわかる音楽的バックボーンの広い人材を育成することができる」と関係者は話す。

音楽堂内部

 外国から著名な音楽家や指導者を講師として招へいする計画もある。「全ての面で他校の模範となる」学校づくりが目標だ。

 午前中は教養科目や音楽基礎理論などの全体授業、午後は各自の専攻に合わせた実技授業。1対1の個別指導を基本とした少人数単位の授業だ。

 実習も、将来の活動にいち早く適応できるよう、より実用性のあるものになっている。

 海外留学も盛ん。現在30人ほどがオーストリア、ドイツ、イタリアなどで学んでいる。同大学の学生でイタリアの「サンタ・チェチリア」音楽大学に留学中のファン・ウンミさんは、5月初旬にイタリアで行われた第13回「ジュゼッペ・ディ・ステファノ」国際声楽コンクールで最優秀賞を受賞した。

[朝鮮新報 2006.7.29]