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〈朝鮮中央通信社論評〉 小泉首相の靖国神社参拝 「侵略と犯罪の歴史正当化」

 日本の現職の総理としては21年ぶり2度目となった、小泉純一郎首相の8月15日の靖国神社参拝に、アジア諸国から非難の声が高まっている。

 南朝鮮は15日、外交通商部スポークスマン名義の声明を発表、「日本の首相が、8月15日に過去の日本の軍国主義と侵略主義の象徴である靖国神社を参拝したことに深い失望と怒りを感じる」と激しく非難した。

 また、来月に日本の次期首相が就任しても靖国神社を参拝するかぎり、日本との首脳会談を行わない方針(16日、徐柱錫・青瓦台統一外交安保政策首席秘書官)であることを明らかにした。

 中国も同日、外交部声明を発表、「第2次世界大戦のA級戦犯を祭った靖国神社への参拝は日本軍国主義の侵略戦争で被害を受けた国の人民の感情をひどく傷つけ、中日関係の政治的基礎を破壊するもの」だと、強く抗議した。

 一方、16日の朝鮮中央通信社論評は、小泉首相の靖国神社参拝を「日本が過去にアジアの国々に敢行した侵略と犯罪の歴史を正当化し軍国主義の亡霊を賛美するためのもので、被害国の人民に対する重大な冒とくであり挑戦」だと非難した。また、朝・日平壌宣言にも完全に背くものだと主張した。論評の全文はつぎのとおり。

 15日、日本の小泉首相は内外の強い反対にもかかわらず、とうとう靖国神社に参拝した。

 就任後、6回目となる今回の参拝は、日本がかつてアジア諸国で働いた侵略と犯罪の歴史を正当化し、軍国主義亡霊を賛美するためのもので、被害国人民に対する重大な冒とく、挑戦である。

 靖国神社は日本の侵略的で極端な民族主義の牙城であり、軍国主義の象徴である。

 靖国神社には、過去アジア諸国を侵略し、数百万人の罪なき人民を虐殺することで悪名をとどろかしたA級戦犯たちの位牌が保管されている。

 それゆえ、過去、日帝によって計り知れない不幸と苦痛を強いられたアジア地域諸国の人民は、日本の政治家の靖国神社参拝を軍国主義復活と侵略の歴史の再現を狙った不純な行動として、強く反対、糾弾している。

 にもかかわらず、小泉が敗戦日に靖国神社参拝を公然と強行したのは、アジア地域と世界の公正な声に正面から挑戦し、国の軍国化、社会の右傾化を推し進め、再び海外侵略の道に踏み出そうとする日本執権勢力の「政治的意志」を誇示したことになる。

 実際に日本は敗戦以降61年間、罪悪に満ちた自国の過去を美化し、再侵略の野望を実現するための準備に拍車をかけることにより、地域の平和と安全を重大に脅かしてきた。

 日本自衛隊の海外侵略戦争参戦を合法化する好戦的な法規が採択され、軍事力の増強が積極的に推進されており、自衛隊の「海外進出」が本格化されている。

 日本当局は自らのこのような行為の侵略的性格を覆い隠そうとこうかつに策動しているが、アジア地域と世界の糾弾にもかかわらず、またしても強行された現職総理の靖国神社参拝は、彼らの汚らわしい心根を赤裸々にしている。

 日本総理の靖国神社参拝は朝・日平壌宣言にも完全に反するものである。

 小泉は過去、朝鮮人民に及ぼした不幸と苦痛について反省し、謝罪すると表明した朝・日平壌宣言に直接署名した以降も、引き続き加害者の亡霊がある靖国神社に参拝したことにより、自分の公約を白紙に戻し、朝鮮人民の胸に刃を突きつけ、朝・日関係を悪化の一途へと追い込んでいる。

 これらの現実は、アジア地域諸国人民の糾弾の声も聞き取れず、国際的な公約順守の義務まで投げ捨てるほど報復主義と軍国主義再生熱に浮かれている日本が、地域平和のガンであるということを明白に実証している。

 このような日本が「経済力に見合う政治的役割」をうんぬんしていることこそ笑止千万な行為である。

 朝鮮とアジア諸国の人民に対して犯した反人倫的犯罪については一貫して清算せず、歴史わい曲と靖国神社参拝を強行しながら海外膨張準備に熱を上げている日本は、国連安保理常任理事国の資格はおろか、国連憲章に載っている「敵国」の汚名さえぬぐうことができない。

 国際社会は、「貢献」と「寄与」のベールのもとにうごめいている日本の報復主義野望に慎重な注意を払うべきであり、国連は当然、日本の軍国主義復活のような問題を最初に取り扱うべきであろう。

 日本が過去、侵略と海外膨張で滅びた歴史の教訓を忘却し、またしても軍国主義の道に進むなら自滅を免れないであろう。

[朝鮮新報 2006.8.19]