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米式「民主化」は妄想 レバノン情勢で朝鮮中央通信

 米国はレバノン戦争で無残に敗れた。

 レバノン戦争で米国が狙った目的は、自国の「対テロ」戦略に従ってヒズボラを一挙に圧殺し、中東地域の「民主化」を推し進めようとすることであった。

 しかし、中東地域では米国式「民主化」に有利ないかなる新しい情勢も生じなかった。逆に、その展望がいっそう暗たんたるものとなった。

 中東地域諸国は戦争を通じて米国がくり広げている「対テロ戦」の侵略的性格とブッシュ政権の好戦性、野獣性をはっきり見ることになり、反米の旗じるしをいっそう高く掲げている。これは、米国が戦争で喫した政治的敗北を雄弁に実証している。

 シリア大統領は、米国とイスラエルの「新しい中東構想」は妄想であり、レバノン戦争での敗北により破たんの運命に瀕したと宣言した。

 米国とイスラエルは軍事的にも惨敗を免れなかった。

 米国のシナリオに従ってイスラエルは30余日間、数万人の兵力と最先端戦争装備を動員して空中と地上、海上でヒズボラに猛攻を加えた。

 ヒズボラは戦車も航空隊もなく、力量上比べようもない少ない武力であるが、頑強な抗戦姿勢と戦術的優勢でイスラエル軍を制圧した。

 戦争の過程は、イスラエルがヒズボラに勝利することができず、レバノン戦争による「対テロ」戦線の拡大が米国自身の首を締める結果になったということを示した。

 米国は、ついにレバノン戦争の中止を求める国際社会の圧力に屈し、ヒズボラの武装解除をレバノンに委ねると公表した。米国は、ヒズボラを一掃するという戦争初期の立場からこのように後退せざるをえなくなった。

 現在、ブッシュ政権にとって、国連安保理の決議によって拡大、強化される南部レバノン駐屯国連平和維持武力に米軍を派遣するのは思いも寄らないことである。

 世界は、「自由、民主主義」の幻覚に悩まされているブッシュ勢力を嘲笑している。

 外電は、今回のレバノン戦争を通じて力を得たイランやシリアなどの国々が同盟関係を強化しながら中東で反米対決姿勢をいっそう強めるものと見ている。

 国と民族の自主的権利を踏みにじり、恥と屈従を強要する米国式「民主化」は実現しない妄想である。これが、レバノン戦争が米国に与える教訓である。

 米国は、主権国家と民族を勝手に「改造」しようとする無益な企図を取りやめるべきである。(朝鮮通信8月30日発)

[朝鮮新報 2006.9.4]