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〈論調〉 朝鮮口実にMDシステム構築狙う

 朝鮮半島の情勢が日増しに緊張している。太平洋上で行われた「リムパック2006」合同軍事演習とアラスカで行われた多国籍軍事演習に続いて米国が現在、南朝鮮で行っている「ウルチ・フォーカスレンズ」合同軍事演習がそれを示している。

 問題は、日本が米国のこのような軍事的行為に積極的に追従して朝鮮半島の情勢を緊張させていることである。

 報道によると、米海軍の最新型イージス・ミサイル巡洋艦シャイローが今月末、神奈川県横須賀に配備されるという。「ウルチ・フォーカスレンズ」合同軍事演習とタイミングを合わせて米海軍のミサイル巡洋艦が日本に配備されるのは尋常でないことである。日本は、米国に積極的に追従して一日も早くミサイル防衛(MD)システムを構築しようとしている。

 このような事実は、日米両反動層によって任意の時刻に第2の朝鮮戦争が挑発されかねないことを示唆している。

 数日前、日本外交当局者と太平洋地域米軍総司令官が会って「対処」うんぬんと称してミサイル防衛など軍事的諸問題において協力することを謀議した。ここで討議された内容には米原子力空母の配備問題も含まれている。

 朝鮮再侵略は日本軍国主義勢力の変わらぬ野望である。彼らは朝鮮の「脅威」、それに対する「対処」を叫びながら米国に対する政治的、軍事的追従を正当化しようとしているが、それによって朝鮮再侵略野望を覆い隠すことは絶対にできない。

 米国の政治的、軍事的手先の役を演じ、それを通じて自国の利益をむさぼるのは日本の根深い悪習である。新世紀を迎えた今もその悪習は変わっていない。

 日本の反動層が対米軍事追従を通じて得ている利益とは、まさに日本を朝鮮再侵略、アジア再侵略のための軍事攻撃基地に変えていることである。日本の支配層が政治大国や軍事大国などについてけん伝しているのは、日本を米国のような支配主義国家、侵略国家に変えると主張するのと同じである。日本は、米国と協力して最先端ミサイル技術の開発を進める一方、自衛隊武力の現代化、長距離化、機動化をいっそう積極的に推し進めている。

 日本の西部地域は朝鮮を侵略できる巨大な軍事攻撃基地に変わった。日本は、攻撃型に転換した自衛隊武力と在日米軍との軍事的「一体化」を進めている。

 これでも満足せず、日本は米原子力空母をはじめとする米軍武力を引き入れている。
 米国に対する日本の軍事的追従は一言で言って、朝鮮再侵略、アジア再侵略の道を開くためのこうかつな術策である。日本がわが国にかこつけてMDシステムの構築に血道を上げているのは、朝鮮再侵略野望を実現するためである。

 日本は、「平和憲法」を修正して自衛隊を「軍」に格上げしようとしている。このようなことがなぜ必要なのかは、すでにすべてさらけ出された。あえて再度言及するなら、形式上「防御」的性格を帯びていた自衛隊のベールを完全に取り外し、合法的に攻撃型の侵略武力を整えるところにその下心がある。

 日本は今まで対米軍事追従を通じて朝鮮再侵略の刀を研いできた。どんな軍事作戦も遂行できる能力を備えた日本は今や、再侵略の刀を抜く時が到来したと考えている。

 朝鮮は日本の対米軍事追従が再侵略につながる重大な行為であり、それが日本を自滅の道へ導くということを再三警告した。

 日本は、過去を懐かしみ、よみがえらせようとすることが重大な時代錯誤であり、破滅を招くことを忘れない方がよかろう。

 日本は変化するこんにちの時代を直視すべきだ。(労働新聞8月30日付論評) 

[朝鮮新報 2006.9.4]