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〈論調〉 右往左往する日本の「石油外交」

 さる8月27日、イランのバザルガン石油開発技術会社の社長はアザデガン油田の開発着手が遅れていることに関して、油田開発の利権を持っている日本の国際石油開発帝石ホールディングスに対する強い不信感を表した。

 社長は、「もし、日本が9月15日までにアザデガン油田の開発着手と関連した立場を明らかにしない場合、イランは中国やロシアなどとの共同開発も模索する」と警告した。これは、米国の顔色をうかがい、アザデガン油田の開発をためらっている日本に対するイランの厳しい叱責である。

 2004年2月、イランは日本とイランの西南部にあるアザデガン油田を共同で開発することで合意した。しかし日本は、いまだにアザデガン油田の開発に消極的に臨んでいる。

 もし、日本が米国の要求を無視してイランとのアザデガン油田の共同開発に着手すれば、米国が激怒するであろうし、そうなれば米国を後ろ盾にして再びアジアの盟主になろうとする野望が水泡に帰するかも知れない。だからといって、中東の産油国に依存している日本としてはアザデガン油田開発を放棄できない状態にある。

 日本は右往左往して、イランの「核問題」が一日も早く解決されるよう願った。イランが米国と西側勢力の要求に応じてウラン濃縮を中断すれば、それ以上よろこばしいことはない。

 定見のない日本のイランとの「石油外交」は、米国との「同盟関係」が先か、「国益」が先かという問題を巡って右往左往している。(労働新聞13日付記事)

[朝鮮新報 2006.9.21]