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朝鮮赤十字会創立60周年 内外代表が参加し記念報告会

朝鮮の人道主義活動をこれからも支援

 【平壌発=金志永記者】朝鮮の核実験に対する国連安保理制裁決議が採択されるなど朝鮮半島情勢が緊張の度合を増すなか、平壌で18日、朝鮮赤十字会創立60周年記念報告会が行われた。

報告会に参加した各国の代表ら

 人民大学習堂で行われた報告会には、最高人民会議常任委員会の楊亨燮副委員長、朝鮮赤十字会中央委員会の張在彦委員長、省、中央機関の関係者と中央および地方の赤十字関係者が参加した。また、赤十字国際委員会、赤十字および赤新月会国際連盟関係者と世界保健機構、国連人権基金、国連開発機構をはじめとする国際機構の代表20人あまりが出席した。

 演説した赤十字国際機構の代表らは、現在まで行ってきた朝鮮側との協力事業を通じて生まれた成果を強調し、これからも朝鮮側との協力を強化していくと表明した。

 国際赤十字委員会のジャン・アプト委員長(スイス)は、「はるばるスイスから貴国を訪問して、あなた方と出会えたことをうれしく思う」と述べ、朝鮮赤十字会との協力のもと矯正器具の分野で身体障害者を支援するよう、赤十字国際委員会側に全ての条件を保障した朝鮮政府に謝意を表した。

 また、複雑な国際情勢の中でも朝鮮赤十字会が一貫して赤十字の原則に基づき活動し、各国の赤十字および赤新月会団体と協力していると評価した。

 さらには、「赤十字国際委員会は必要とあらば今後も朝鮮政府の後援のもとに朝鮮赤十字会の活動を支援していく用意がある」と述べた。

 赤十字および赤新月会国際連盟東アジア地域代表部の責任者であるアリステア・ヘンリー氏(英国)も、朝鮮赤十字会の活動に対する同連盟の積極的な支援の意志を明らかにした。

 1995年の大規模水害発生時、赤十字国際連盟は朝鮮赤十字会の被災者救援活動に協力、平壌に事務所も開設した。ヘンリー氏は、連盟が近年800万人以上の住民に対する医療奉仕を担当した保健機関と協力、1万9千世帯分の緊急救護物資を常時備蓄し、30の村で災害対策の改善事業を行ったことについても報告した。

 また、同連盟は「朝鮮の統一が内部問題であることについて全面的に尊重する」としながらも、「必要ならば、統一の促進のためにいかなる形態の協力も提供する用意がある」と述べた。

 ほかの国際機構代表らも朝鮮側関係者に対し、「われわれの唯一の思いは、他国でそうであるように朝鮮でも最も脆弱な人々のために尽くすことだ」と一様に話した。

 朝鮮赤十字会の前身である北朝鮮赤十字社は、46年10月18日に創立。災害防止をはじめとする各種の緊急対応活動を行ってきた。

 48年12月に採択された内閣決定は、朝鮮赤十字会を「人民の自発的意思による保健衛生および救護団体」と規定している。赤十字会は国家の全ての機関と緊密な連携のもとで活動を展開し、その一方で国のあらゆる機関、団体、学校および企業所が赤十字の活動を積極的に支援することになっている。

 朝鮮赤十字会中央委員会の張在彦委員長は創立60周年記念報告で、「人々の健康と福利を増進させ、諸外国との親善と協調を図り、世界の平和に貢献することが朝鮮赤十字会の基本使命である」と述べた。

 この日会場では、60年にわたる朝鮮赤十字会の活動を紹介する写真が展示された。参加者らは、「戦時負傷兵らを輸送する赤十字前線救護隊員」「米軍の細菌爆弾投下場所を消毒する隊員」「在日朝鮮人の帰国事業」「北南離散家族、親せきの対面」などの写真を見て回った。

[朝鮮新報 2006.10.25]