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朝鮮ですすむ生物多様性保護 国際協力のもと湿地生態系保護など

 朝鮮で生物多様性保護対策が、国際協力の下で積極的に進められている。

 ユネスコの「人間と生物圏計画」(MAB計画)の朝鮮委員会書記長であるパク・ウイル博士(写真)は、朝鮮での生物多様性保護事業は国際機構との協力のもとで、着実に推進されてきたと指摘する。

 生物多様性という用語が国際的な関心を集めるようになったのは、1992年にブラジルで開催された「環境と開発に対する国連大会」で「地球温暖化条約」とともに「生物多様性条約」が採択されたときからだ。

 パク書記長は人類の生存と活動が、生物多様性と密接に関係していると指摘する。生物多様性をなす動植物、微生物などの生物資源は、経済発展の物質的基礎であり、同時に人々の文化的な需要を保障する源になるというのがパク書記長の説明である。

 朝鮮もこの分野での対策を講じるため、国際的な協力事業を積極的に推進した。97年には世界環境基金、国連開発計画の協力で、「朝鮮民主主義人民共和国生物多様性戦略および行動計画」が作された。この計画には朝鮮の生物多様性の実態調査と、それらに対する保護、持続的利用に関する努力と評価、国家政策と法律的基礎及び機構体系の確立、科学技術力向上のための教育と大衆宣伝、国際協力などの内容が反映された。

 その後、「妙香山の生物多様性管理」に対する計画も実行に移された。

 最近、「朝鮮西海沿岸生物多様性管理計画」が世界環境基金、国連開発計画の協力で進められている。99年に作成されたこの計画は、2003年から履行されている。

 計画の中心は清川江の河口と沿岸の湿地生態系の保護。この湿地帯は世界に8つある渡り鳥のルートの一つ、「東アジア−オーストラリア渡りルート」上にある。水鳥の重要中継地でありながら移動分岐点である同地帯で、ツル類、アヒル・ガン類、シギ類などを保護するための研究と実践が行われている。

 朝鮮の専門家は26日に東京・小平の朝鮮大学校で開かれたアジアの渡り鳥保護のための国際シンポジウムに招請されていたが、日本当局の制裁措置により入国を拒否された。

 シンポジウムに参加することになっていたパク書記長は、「日本政府の反朝鮮敵視政策は、生物多様性保護の側面から見ても、その活動に不利益をもたらす不当なものであり、必ず是正されなければならない」と話した。【平壌支局】

[朝鮮新報 2006.11.27]