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〈月間平壌レポート〉 相次ぐ経済部門への指導

高まる対日非難

 【平壌発=李松鶴記者】11月に入っても、平壌市内は例年になく暖かい日が続いている。最低気温がマイナスになることも何日かあるが、最高気温はいまだに10℃を上回る日が多い。稲刈りはすでに終わり、早いところでは二毛作の準備も進んでいる。

「制裁」下でも自力更生

冬に備えてキムジャン(キムチ漬け)に忙しい開城市のアンさん一家(11月20日) [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 金正日総書記は、新たに建設された元山牧場を現地で指導したのに続き、咸鏡南道内の龍城機械連合企業所、興南肥料連合企業所、咸興化学工業大学、金津江興峰青年発電所、定平郡などの経済部門を現地で指導した。労働新聞はその詳報を掲載しながら、今回の咸鏡南道に対する現地指導は、国の繁栄と人民の幸福のための道のりで、強盛大国建設史に刻まれると指摘。先軍革命総進軍を推し進めている軍、人民に大きな力と勇気を与えるものだと強調した(17日付)。

 金正日総書記が今回、現地指導した機関は、それぞれ厳しい状況下でも自力で問題を解決し大きな成果を収めているところ。核実験の成功以降さらに強まった、米日が主導する経済制裁にも影響を受けない自力更生の力を内外に示したものだといえる。

 日本のメディアでは、経済制裁により朝鮮が苦境に陥っているかのような報道がなされているが、咸鏡南道の経済部門への現地指導は、それらが事実ではないことを物語っている。平壌市内に関しても、暖房を保つための電力生産を受け持っている平壌火力発電連合企業所では、水力発電が主に稼動する夏の間にすべてのボイラーの補修と現代化を進め、電力を円滑に供給している。

 そのおかげか、支局のある平壌ホテルはもちろん、市内のアパートも一日中暖かい。

 経済の各部門が厳しい状況下にあるのは確かだが、できることから少しずつ現代化を進めることで、少なからぬ改善をもたらした。

 一方、平壌市郊外の各農村では、自力で建設した住居を農民たちに無償で与えている。各農村で聞くと、「住居だけ新築して収穫が落ちたと言われては話にならない。新居に入った農民たちもその分仕事でがんばらなければと発奮、今年は豊作だ」との答えが返ってきた。

胸撫で下ろす男性たち

 サッカーのアジアユース大会(19歳以下)で30年ぶりに朝鮮が優勝したことは多くの市民、とりわけ男性に大きな喜びを与えた。冗談交じりに、「最近はスポーツ分野でも女性の活躍ばかりが目立つ。このままでは我々の居る場がなくなってしまう」とこぼす男性が多かったからだ。今回の優勝はそうした男性たちにとくに歓迎されている。

 選手たちを率いたチョ・ドンソプ監督は、「最近ではサッカーでも女性ばかりが注目されていたので、今回の優勝で幾分は名誉を挽回できた。これからも女子選手たちに負けないくらいに活躍し、男女が互いに力を合わせて実力を伸ばしていきたい」と語った。

 今回の優勝は、1966年のワールドカップでベスト8を獲得した当時の「サッカー強国」復活への序曲として、男性はもちろん多くのサッカー愛好家から歓迎されている。

 一方、日本に対する市民の非難の声は日々高まっている。

 1905年11月にねつ造された「乙巳5条約」の不当性を論証するテレビ、新聞の報道と共に、総連や朝鮮学校の生徒に対する嫌がらせ、暴行のニュースが入ってくるたびに、市民は怒りを露にしている。

 「『万景峰92』号の往来を禁止するだけでは事足りず、日本当局は独自の制裁まで加えているが、何を得るつもりなのかまったく理解できない。外務省スポークスマンの談話でも触れていたが、日本が6者会談に参加しないと言うのならそれに越したことはない。孤立するのが誰なのかはおのずとわかるはずだ」と口をそろえている。

 11月、南の民主労働党代表団や江原道代表団をはじめ多くの民間団体が平壌を訪れた。平壌ホテルでは中国の経済人の姿を見ることも少なくない。日本の報道のように「朝鮮が孤立している」というのは根も葉もないウソであることを、こうした事実が如実に物語っている。

[朝鮮新報 2006.11.30]