top_rogo.gif (16396 bytes)

〈経緯〉 当時、朝鮮外務省「無関係」と明言

 オーストラリア政府が朝鮮の貨物船「ポンス」号(4000トン級)を拿捕し、船長と船員を「逮捕」したのは2003年4月21日。

 これを報じたAFP通信は、2400万ドル相当のヘロインが積載されていたと、現地メディアの報道を引用して伝えた。その前の週にシンガポール、マレーシア国籍の男性4人が50キロのヘロインを所持していた容疑でビクトリア州で逮捕されたことから、同船を監視していたという。

 当初、船長と29人の船員の計30人が拘束され、シドニー裁判所で裁判を受け、再拘禁された。

 パウエル米国務長官(当時)は4月30日、米上院で「北朝鮮はミサイルを輸出しているだけでなく、オーストラリアで示したように麻薬も輸出している」などと主張した。

 これに対し、朝鮮外務省スポークスマンは5月6日、朝鮮中央通信社記者の質問に答える形で、「朝鮮政府は麻薬の乱用、密売を終始一貫、徹底的に反対してきており、今回の事件とは少しも関係ない。われわれはすでにオーストラリア側に、『ポンス』号が民間貿易船舶であり船主も今回の事件について全く知らなかったことを通報した」と主張していた。

 ソン・マンソン船長(65)ら4人の船員は結局3年間にわたってオーストラリアで拘束されたすえ、5日にビクトリア州最高裁法廷で無罪判決を受けた。

 8日、メルボルン空港で記者会見したソン船長は通訳を介して、3年ぶりに故国に戻ることができたことを喜ぶとともに、自分たちは東南アジア地域で活動する正体不明の麻薬組織の犠牲者だとも語った。

[朝鮮新報 2006.3.18]