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「日朝友好のつばさ」の団長を務めた 有元幹明さんに聞く 「メディア報道と違う真の姿」

異なる体制が融合 壮大な開城の事業

 既報のように、「日朝友好のつばさ」の24人の日本人士らが4月30日〜5月5日、大阪同胞祖国訪問団とともに、朝鮮を訪問した。訪問中、メンバーらは平壌市内と妙香山、開城市内と板門店などを見て回った。また、日本人としては初めて開城工業地区を参観した。団長を務めた「日朝国交正常化の早期実現を求める市民連帯、大阪」(市民連帯、大阪)の有元幹明共同代表に、訪朝の感想を聞いた。

−訪朝のきっかけは。

 今回で8回目となるが、これまでたくさんの日本人とともに朝鮮を訪問した。今回、大阪から総連はもちろん民団の在日の人たちが大勢行くという話を聞き、各階層の人たちが一緒に訪朝することはとても意義があることだと思った。

 代表団の中には初めて訪朝したメンバーも多かったが、メディアで伝えられているのとはまったく違う朝鮮の真の姿に、一様に驚き感激していた。朝鮮の真実に触れて納得している彼らの姿を見て、とてもうれしかった。

−訪朝の感想は。

チュチェ思想塔の前で記念写真を撮る代表団

 開城工業地区を初めて訪問してまず思ったのは、「確かな未来がある」ということ。初めて行くということもあって、日本で同地区について自分なりに勉強し、その過程で感じたことは中国の改革開放を模倣したものではないということだった。実際に行ってみると、思ったとおりで、2つの異なる体制が融合するという壮大な事業だということを実感した。

 とくに、朝鮮がきちんとビジョンを持って、社会主義を堅持しながら事業に携わっていることに感銘を受け、必ず成功するという確信を得た。

 また、同地区の至るところに統一旗が掲げられていることや、車のナンバープレートにまで統一旗がデザインされているのを見て、統一に向かいつつある歴史の流れは決して逆戻りしないということも感じた。

 一方、平壌市内の建物の外壁がきれいになっているなど、まだまだ発展の途上だと思うが、人々の住環境が着実に改善されているということも感じた。

−「親善勲章第2級」を授与されたそうだが。

 授与される直前まで何も聞かされていなかったので、とてもびっくりした。日朝運動を一生懸命やってきたのは事実だが、叙勲されるほどのことはしていないと思っていた。大阪府商工会に対し警視庁が強制捜索を行った際に、激励に行ったことや朝鮮学校を支援していることをとても高く評価してくれた。叙勲を機にさらにがんばらないといけないと思った。

 叙勲の際、楊亨燮・最高人民会議常任委員会副委員長や洪善玉・対外文化連絡協会副委員長らと話す機会があったが、日本の情勢にとても明るいことに驚いた。

−今後の抱負、展望は。

平壌市内を見て回る代表団

 日朝関係においては、国交正常化が何よりも優先されるべきで、制裁などでは決してよい展望は開けない。そのためにも、地域レベルでの日朝交流をさらに活発に広げていきたい。6月27日には、「市民連帯・大阪」の主催でこれまでの日朝交流の経過、今回の訪朝について報告するほか、南から「ウリナラ」バンドを招いて、コンサートも行う予定だ。

 大阪では、日朝交流がかなり根づいている。これが燎原の火のごとく各地に広がるような活動もしていきたい。会の名称を「市民連帯・大阪」としたのも、「・」の後ろに「京都」や「東京」と簡単に付けられるようにしようとの思いがあるからだ。

 大阪でもそうであるように、各地でも日朝運動をがんばっている日本人がたくさんいるはずだ。今後も地域で活動しながら、他地域の人たちとも手を携えてがんばっていきたい。(まとめ=李松鶴記者)

[朝鮮新報 2006.5.16]