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「細かい木を太い幹に」 西郊良光師(横浜円満寺住職)

西郊良光師

 霊通寺の復元は私たちにとっても喜ばしいことだ。

 これまで1997年と2000年に2度開城を訪れており、今回が3度目だ。97年当時勤めていた大正大学創立70周年記念事業の一環として、朝鮮社会科学院と合同で霊通寺の遺跡発掘をすることになった。朝鮮大学校の全浩天先生(在日本朝鮮人考古学協会会長)と大正大学名誉教授で日本考古学会会長の斉藤忠先生と一緒に初めて開城を訪れた。発掘調査が始まってからも、発掘調査のための機材を持ってきたり現場を視察したりした。

 そのうち朝鮮総連の方から「復元工事が始まった」と聞いてびっくりした覚えがある。工事がなかなか進まなかった時期もあったそうだが、着実な歩みが昨年の復元落成につながったと思うと感慨深いものがある。

 現在、日本と朝鮮の間には国交がないが、仏教界の相互交流はより活発になるだろう。

 日本と朝鮮の関係を例えるなら、今は細い木だが、これから交流を通じて幹をどんどん太くしていけばいい。政治は民衆の力だ。その力が強くなっていけば政治家も余計なことは言えない。

 今回の訪朝に関しては、ある程度の人数に抑えたが、実際はさまざまな分野で朝鮮に行きたがっている人はたくさんいる。今回の訪朝を機に開城訪問と霊通寺での法要を定例化して、毎年行いたいと考えている。民間レベルでの日朝交流を深めていくべきだと思う。(談、文責編集部)

[朝鮮新報 2006.6.1]