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「仏教徒同士の交流を」 有馬頼底師(臨済宗相国寺派管長)

有馬頼底師

 霊通寺を訪れたのは初めてだが大変感激した。すがすがしい心境というか、ある種の達成感を味わっている。

 霊通寺の復元は、私にとっても歴史的なことだ。以前関係者の方から、朝鮮天台宗の開祖である大覚国師義天が編さんした高麗版蔵経の一部が相国寺に保管されているという話を聞いた。これを聞いたときに、自分自身にもゆかりのある霊通寺の復元を何がなんでも達成していただきたいと思い、私も全面的に応援したいと申し上げた。

 日本にとって朝鮮は最も近い国だが、現在は「近くて遠い国」になっている。これはいけないことだ。「近くて近い国」にならなければいけない。日本と朝鮮が一日も早く正式に国交を回復してほしいということを、日本に帰ってみなさんに伝えたい。

 日朝関係が厳しい状況にあることは確かだ。厳しいというのは、政治的なものであって、民間レベルではそのようなことは全くない。一部の政治家がそのような雰囲気を作ってしまっていることに原因がある。

 何よりもまず、仏教者として朝鮮側との交流を始めたいと思っている。われわれが進める交流活動に対して賛同者がだんだん増えてくると信じている。

 訪朝で一番強く感じたことはこの国が持つ張り詰めた力、言わば「緊張感」だ。国の復興を成し遂げようという緊張感をひしひしと感じた。(談、文責編集部)

[朝鮮新報 2006.6.1]