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「あんにょん・サヨナラ」劇場公開イベント

「正しい歴史認識が大切」 

市民、学生ら約80人が参加したイベント

 靖国問題をテーマにした南と日本の共同ドキュメンタリー「あんにょん・サヨナラ」劇場公開記念イベントが6月23日、東京・中野で行われた。

 イベントではドキュメンタリー監督の森達也氏、元日本軍兵士の高橋哲郎氏、日本と南の大学生が出演しトークショーが繰り広げられた。

 日本政府による教育基本法改正案で問題となっている「愛国心」に関連して「考える場を持とう」というのがイベントの趣旨。

 「愛国心教育の行方」をテーマに、出演者それぞれが経験や意見を述べ合った。

 高橋氏は幼少時代に学校で教育勅語をそらんじ「神の国」教育を受けたと述べ、現在戦前の教育理念へと近づこうとする傾向があると指摘した。

 森氏は、現在政府が提唱する「愛国心」は排他や侵略、戦争へとつながるとし、このような「偏狭な愛国心」を教育する価値について問うた。

 出演者らは、映画のテーマでもある靖国問題について正しい歴史認識を持つことが大切だと強調した。

 とくに元兵士の高橋氏は、戦争で犠牲となった人々の感情は靖国神社でうたわれているものと同じとはかぎらないと述べた。

 今回のイベントには、学生、市民ら約80人が参加。定員を上回る参加者で立ち見客も出るほどだった。

 「あんにょん・サヨナラ」の制作スタッフは、「ひとりひとり考えることが大切だ。この映画は平凡な人たちが集まってつくった。ぜひ見てほしい」と語っている。(呉陽希記者)

 7月8日〜21日 ポレポレ東中野(東京・東中野)でロードショー。

 7月15日〜8月11日 シネ・ヌーヴォ(大阪・九条)で上映。

[朝鮮新報 2006.7.3]