朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会が内閣総理大臣に要請文 |
朝鮮に対する制裁を撤回し、対話による解決を要請 朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会(清水澄子代表)は9月22日、朝鮮に対する制裁を撤回し対話による解決を求める要請文を小泉純一郎内閣総理大臣に送った。全文は次の通り。 自民党総裁選挙の前日、9月19日、政府は北朝鮮に金融制裁を発動しました。 米国が制裁を科している12.企業1個人に3企業を加え、15企業1個人を対象に送金停止など資産凍結を行うということです。 折りしも、北朝鮮の核問題解決のための6者協議による共同声明採択(05年9月19日)から1年、02年9月17日の日朝平壌宣言から4年。「日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、国交正常化を実現するために誠意を持って取り組む」ことをうたった日朝平壌宣言は、小泉政権下の大きな外交の柱であったはずです。この日朝平壌宣言はいまどうなっているのでしょうか。 安倍官房長官は政権公約に、世界に信頼される国づくりをうたい、近隣諸国との信頼強化をはかる、としていますが、平壌宣言の履行、日朝国交正常化について、どのように引き継いでいこうとしているのでしょうか。 北朝鮮は「米国による金融制裁解除」を6者協議復帰の条件としており、今年7月の国連安全保障理事会での北朝鮮弾道ミサイル発射非難決議で、さらに態度を硬化させています。 9月14日に行われた米韓首脳会談においては、次なる圧力を検討するブッシュ大統領に対し、盧武鉉大統領は「新たな制裁を話し合う段階ではない」と反論しています。韓国は米、肥料支援は中断しているものの、経済協力は続行し、対話と和解への努力を続けています。 また日本政府が制裁を発動した9月19日、中国外務省は「中国は一貫して対話による問題解決を主張し制裁に反対している」と述べ、「各国は朝鮮半島情勢をいかに緩和するかに重点を置かねばならない」と述べています。 先の国連総会に合わせて、9月21日、米国の呼びかけで開かれた北朝鮮の核問題に対する8カ国外相会合も中国、ロシアが参加せず、問題解決に向けた論議にはなりませんでした。 日本は自民党総裁選優先で国連総会にも外相が欠席するなど、この間なんら積極的行動も発言もしてきませんでした。 このようななかで、政府が米国に対する圧力一辺倒の政策をとり続けることは、日朝平壌宣言に反するばかりか、拉致問題、核問題の解決を遠のかせ、東北アジアの緊張を激化させるだけではないでしょうか。 7月以降、在日朝鮮人に対し、再入国許可に制限が加えられ、万景峰号の入港が禁止され、「韓国、朝鮮の遺族とともに、遺骨問題の解決へ−2006夏」に訪日しようとした強制連行犠牲者の遺族の入国を拒否するなど、朝鮮人に対する非人道的な権利侵害が続いていることに、私たちは深く胸痛めています。 私たちは政府がこのたびの金融制裁、ならびに在日朝鮮人の権利を侵害する不当な制裁、圧力をやめ、6者協議再開の環境づくりに向けた努力、日朝平壌宣言の誠実な履行にもとづく日朝国交正常化実現、拉致問題、核問題をはじめ、懸案事項の真の解決、東北アジアの平和と安定に力を尽くすよう強く求めます。 [朝鮮新報 2006.9.29] |