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〈朝鮮統一支持運動第24回全国集会〉 運動の継続確認、停滞克服を誓う

270人で盛況、活発な論議

全国集会2日目に行われたシンポジウム

 朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会(日本委員会)結成30周年記念朝鮮統一支持運動第24回全国集会が21、22の両日、長野県松本市で行われた。

 集会では、日朝、朝米関係および6者会談の行方などについて活発な論議が交わされた。やはり焦点は核問題だった。朝鮮の核実験(9日)後、国連安保理の制裁決議や日本国内での反朝鮮、反総聯騒動など論議すべき問題は多々あった。

 「世界の唯一の被爆国民」として、参加者の中には、いかなる核実験と核保有にも反対という感情を抱いて参加していた人たちがいたことも事実だ。しかし、場内は朝鮮が核実験を行わなければならないように追い込んだ米国に批判が集中。ブッシュ政権の対朝鮮敵対政策の失敗が指摘され、米国の脅威をなくすことが東北アジアの非核化実現につながると強調された。さらに、戦争につながる制裁には絶対反対との立場が確認された。

 集会1日目、鎌倉孝夫・埼玉大学名誉教授による記念講演後の質疑応答では、朝鮮の核実験を批判する意見も。これに対し鎌倉氏は、「まず世界最大の核保有国の米国が批判されるべきではないのか」といった趣旨で反論した。瞬間、会場からは拍手が沸き起こった。

 集会2日目は、早朝から3時間にわたりシンポジウムが行われ、さらに議論を深めた。近年、集会の2日目には分科会を開いて、日朝関係などの政治問題、友好運動の経験、民族学校に対する差別問題などについてそれぞれ討論する形が取られてきた。

長野朝鮮初中級学校生徒らによるオープニングセレモニー

 今回は、鎌倉氏、金東鶴・在日本朝鮮人人権協会理事、塩入隆・長野県短期大学名誉教授、金明守・総聯中央本部参事、吉田康彦・大阪経済法科大学教授などがパネラーとして登場し、民族教育の現状と課題、歴史認識と戦後補償、日朝関係の現状と国交正常化などをテーマにシンポジウムが行われた。

 「メディアの北朝鮮たたき」をどうにかできないかとの会場の意見に対し、テレビ出演も多い吉田氏は、朝鮮寄りの発言で抗議が殺到し、番組から降板させられた経験を披露。メディアを変えるのは視聴者だとしながら、番組の右傾化に対して抗議の電話、ファックス、メールをどんどんすべきだと助言した。これにうなずきながら、メモを取る参加者の姿が多く見られた。

各地でより活発な活動を

 集会の発言者からは、「厳しい状況」「逆風と困難」という言葉が幾度も聞かれた。実際、日本社会全体に反朝鮮の風潮が広がる中で、朝鮮を支持する者も攻撃の対象となっている。集会会場周辺を警察官が厳重に警備し重い空気に包まれていたことがそれを物語っていた。

21日夕、市内のホテルで行われた交流パーティー

 こういった状況下でも、今回、全国から270人の参加者が集まり、盛況をなした。

 会場には、「祝」の大きな文字が書かれた看板が掲げられた。日本委員会結成30周年を祝うものだ。朝鮮の対外文化連絡協会からは祝賀メッセージと旗が寄せられた。

 全国集会の中心母体となる日本委員会は、自主的平和統一を誓った7.4南北共同声明(1972年)発表から4年後の76年に結成。以後、日朝友好運動は活発に展開された。が、とくに拉致問題が表面化した02年から全般的に縮小傾向にあるという。

 今集会では、まず運動の継続を確認し、この状況を克服するための議論が交わされた。全国集会の開催は年1回が限度なので、全国集会と各都道府県の活動をつなぐために地域ブロックごとの会合を開くことなどが提案された。

 「今集会を糧に各地で活発な活動を展開し、その成果をもって来年また再開しよう」

 閉会式で主催者側はこう呼びかけた。会場は呼応の拍手で沸いた。(姜イルク記者)

[朝鮮新報 2006.10.25]